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その帰りに稲妻総合病院に寄るも、病室に太陽はいなかった。彼がいない理由はわからないが、きっと検査かなにかで出かけているのだろう。
病院を出て、私は夕暮れの中ぽつんと一人立った。茜色の空を一羽の鴉がかあかあと鳴きながら飛んでいく。まるで影絵のようにそれは動いていた。私は視線でそれを追いながら、これからどうしようかと考えた。
商店街付近の道を通って神童邸までの帰路を辿っていた時だった。前を歩いていた学生二人組が途中で立ち止まり、そのうち一人が携帯を両手で持ちながら驚いていた。その横を通り過ぎようとした瞬間、聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。
「おいおい、商店街のゲーセン前で殴り合いの喧嘩が起きたんだってよ！」
私は思わず立ち止まる。彼らは「見に行こうぜ」と言って裏路地方面へ走りだした。私も後から早歩きで追う。
この稲妻町で喧嘩をするとすれば、可能性があるのはあの人だろう。
＿＿＿＿＿
予想通り、そこには九坂隆二の姿があった。明らかに体格が良く、開いた目は凄まじい鋭さをもつ。殺気立つ彼はまるで歩く凶器のようであった。近づくとすぐにこちらがやられてしまいそうな強いオーラを放っている。
彼は相当憤っていた。喧嘩は既に決着がついていて、彼の前には数十人の人間の束が集まっていた。私はその光景に絶句する。
彼をここまで怒らせるとは、一体何があったのだろうか。九坂が怒り、手を出すのは必ず理由がある筈だ。彼は正義感が強く、そして強さに拘る人物である。
「俺は強い。次はねえぞ」
九坂はそう言って立ち去った。彼は一度もバンダナを外しはしていなかった。
観衆は皆怯え、そして恐怖した。
彼がいなくなった後も、凄まじい余韻が暫くその場には残っていた。まるでなにかの大きな事件が起こった後のような雰囲気である。
「やっぱりあいつ、友信学園の奴だよな」
「鬼仏のリュウは怒らせるとマジこえーわ」
「うわっ、警察来てる。私たちも帰ろう」
「う、うん」
私は彼のオーラにただただ圧倒されていた。彼は既にこの場にいないというのに、幻覚のように記憶に残っている。彼が作中でアースイレブンに選抜された理由をその時全身で理解した。
あの威圧力や存在感は規格外だ。
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充滞(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月7日 21時) (
レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみません。頑張って下さいね！応援しますね！ (2021年9月7日 21時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - 星猫さん» お誘いありがとうございます。今回は遠慮させて頂きます。ご期待に添えず申し訳ありません。 (2021年9月7日 20時) (レス) id: ff878d9789 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 無理だったら、ごめんなさい。応援しますので頑張って下さいね！ (2021年9月7日 20時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 一緒に合作しませんか？ (2021年9月7日 20時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2021年9月7日 19時
