20. 突然の別れ ページ20
『 剣城。Aから離れろ 』
『 …勝手に近寄ってきたのはあっちだ 』
『 ごめんね。剣城くん、白竜 』
謝る割には平然としている少女。そして、彼女は白竜に肩を掴まれてじっと彼を見つめた。
『 A 』
『 白竜。久しぶりだね 』
『 本当にAなのか。記憶がなくなったと聞いていたが 』
『 化身と一緒に出てきちゃったみたい。驚いた？ 』
『 …驚くに決まっているだろう。どういうことだ、説明してくれ 』
『 私もわかんない。だけど白竜のこと、ずっと見てたよ 』
『 …っ！ 』
その様子を固唾を呑みながら試聴していた。それはフェイもワンダバも同様であった。
『 でも、もうバイバイしなくちゃ。今までありがとう白竜。それに…シュウも 』
『 ああ。さよなら 』
『 待て。どこに行くと言うんだ 』
『 雷門の人たち、折角の試合をかき乱してごめんね。でも、楽しかったよ 』
彼女が雷門に目を向ける。しかし、依然として雷門のメンバーは唖然として見ていた。彼女は白竜に向き合い、そして告げる。
『 私、追い出されるの。この子に 』
『 何だと？ 』
『 ずっと守ってくれてありがとう。これからも大好きだよ白竜 』
『 だから、何を言って 』
『 これが最後の別れかな。またね 』
Aは白竜の頬に口付けを落として、次の瞬間に全身の力が抜けたように倒れた。それはまるで、銃撃を受けた死体のように倒れた。白竜は事実を飲み込めないまま、そっと美翔を支える。そして、徐に抱きしめた。
そして、画面の向こうの私は目を再度開けた。その様子は普通の女子中学生で、先ほどまであった存在感が一気に消えていた。
『 ちょ、離して、苦しい 』
『 A…A… 』
私は天馬に助けを求めている。天馬視点のこの画面では、画面の正面に私の混乱した表情がありありと映っていた。その後は私の知る会話が繰り広げられていた。
「一体これは...」
「...もう大丈夫。ありがとう」
「じゃあ、これで終わるけどいいかな？」
「うん」
「天馬、お疲れ様。これから意識を戻すね」
イメージ投影はこれで終了した。フェイは天馬のイメージのその具体性に驚き、非常に褒めていた。確かに以前の出来事をこれだけはっきりと思いかべられるのは凄いと思う。天馬は「あの時のことはよく覚えてるんだ」と語った。
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充滞(プロフ) - 白菜さん» 解釈一致する点が多かったようで嬉しいです。なるべく公式に近い人物描写と環境を重視し、その上で程々のオリジナル要素を加えたいと思います。フェイくんは魅力的なキャラクターですよね。 (2020年10月7日 8時) (
レス) id: ff878d9789 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - イナクロ編とても楽しみにしておりました！以前からずっと解釈や文章の表現、ストーリー展開がとても好みだったのですが、最推しフェイくんの解釈も一致していて思わずそれー！と頷いてしまいました。これからの展開も楽しみにしております。 (2020年10月7日 4時) (レス) id: e0c4cb74aa (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» 分かりましたぁ〜っ☆（すみませんふざけました） (2020年10月5日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - ルナストーンさん» 概要欄を書き消ししたため不要な通知がいったようです。お気になさらずー！ (2020年10月5日 23時) (レス) id: ff878d9789 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» あのっ…どうされました…？（通知だけ来て特に変わったところが見つけられないので困惑してる人の図です） (2020年10月5日 22時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2020年8月2日 12時
