296. 曖昧な原因 ページ31
しばらく自由行動が許されていたため、私は剣城と共に遊戯の駅を歩いていた。誘ったのは私だ。
天城先輩は真帆路と話をしに、天馬は太陽に連絡をしにスタジアムの外に出ている。他の選手らは遊戯の駅で買い物や内装を見て回るらしい。この駅の中にはゲームセンターやカフェなどが設けられている。この施設は観光地としても全国的に有名らしい。
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私は下の階の噴水をじっと見つめながら、柵にもたれかかる剣城に問いかけた。
「…なんで化身が出なかったんだろう」
花壇に植えられた真っ赤なハイビスカスに視線を向ける。美しい花だ。豪華な施設の内装を眺めながら、私は重い溜息を吐いた。暗い気持ちとは裏腹に、煌びやかなネオンが周りで輝っている。
「自分ではどう思うんだ」
聞き返されてしまった。誰かに意見を求める前に、まずは自己分析をしろということか。まあそれは悔しいが正論ではある。自分を客観的に見ることができているかの一つの指標にもなるだろう。私は自分なりに色々と考えるも、良い回答は思いつかなかった。だから、当時の感情の所為にすることしかできなかった。
「焦っちゃったから…なのかな」
ぽつりと言葉を零す。しかし、それが本質ではない気もしていた。
全く理由が掴めない。私の何が悪かったのだろう。
剣城は私を軽く見遣ってから話し始めた。
「原因は俺にも分からない。あの時、化身を発動するには好条件が揃っていた」
真帆路が化身を出していたこと。私に記憶はないが、ゼロ戦で実際に発動させたこと。自分の意識がある状態において、今まで化身オーラの兆候は見られていたこと。強敵と戦い、切迫した状況にあったこと。それらを剣城は好条件として挙げた。
「うん。だよね」
「…明日の日曜、空いてるか」
「え、うん」
「朝10時、河川敷に集合だ。もう一度お前の化身を試す」
もう一度という言葉が気になった。
そういえば、元シードだと部の皆に公言する前に剣城と一対一で勝負したな。自分は負けたけど。確かその時に背中からオーラが出たと言われた気がする。
今度はどのように試すのかと疑問に思いながら、とりあえず私は首を縦に振った。
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充滞(プロフ) - 夜月さん» 以前の作品も読んでくださりありがとうございます！諸事情でその小説は書くのを断念してしまったので読者の方には大変申し訳なく思っています。GOは自分にとって一番好きな作品であるため、この小説は必ず完結させます。(剣城の件嬉しいです！ふふ、惚れさせますよ^^) (2020年7月29日 23時) (
レス) id: ff878d9789 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 初めまして。遅くなりましたが続編おめでとうございます。私は、充滞さんの「トリップ少女」の頃からのファンで「桜前線」が投稿されたときには、喜びました。小説を読んでいて剣城くんに惚れそうです(笑)。長々とコメント失礼しました。 (2020年7月29日 22時) (レス) id: 332dcd6979 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - 倉木 勝さん» わ！様々な点を褒めて頂きありがとうございます！更新頑張ります^^ (2020年7月26日 23時) (レス) id: ff878d9789 (このIDを非表示/違反報告)
倉木 勝(プロフ) - めちゃめちゃ好きです…！！文章の書き方とか、キャラの性格とか、全部が好きです…！！更新頑張ってください！！！！楽しみに待っています！！ (2020年7月26日 21時) (レス) id: 5a008c300c (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです(号泣) 魅力的な作品になるよう頑張ります。更新頑張ります！ (2020年7月24日 19時) (レス) id: ff878d9789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2020年7月24日 16時
