276. 深い話 ページ11
お菓子を味わいながら、様々な話をした。些細な日常のことや、次の対戦校である幻影学園について、好きなピアノ曲など。そして、話はゴッドエデンに移り変わる。この話題になった時に、彼の顔つきが変わった気がした。
「前から聞きたかったんだが、…白竜とはどんな関係なんだ？」
私は彼から貰ったクッキーを食みながら、彼の言葉を聞く。口内に残ったものを喉に流し込んでから、その問いに対して嘘偽りなく返答した。
話に集中しているからか、折角のおいしいクッキーは味がしない。後でゆっくりと食べよう。
「シード時代は恋人関係にあったようです。白竜本人から話を聞くに、どうも私はゴッドエデンの施設で、…その、悪質な嫌がらせを受けていたようで。それを助けたのが白竜で、それを機に共依存的な関係に至ったのだと思います」
「…そうか」
.
神童さんはこちらの様子を窺いながら、核心を突く質問をいくつかした。「シードの記憶はまだ戻らないか」、「今は白竜をどう思っているのか」、「ゴッドエデンで知った情報はあるか」と。
私はそれに対して、「戻らない」「気の毒に思っている」「過去の自分や聖帝からの期待について知ることができた」と答えた。聖帝との会話についても多少話す。
そして、その質疑応答の後に神童さんは試合前のことについて詫びた。
「あの時は守ってやれなくてすまなかった。突然のことに驚いて動けなかった」
「大丈夫です。お気持ちだけで嬉しいです。… あの、撒かれた写真は見ましたか」
「ああ。少し…見てしまった。だが、すぐに白竜が吹き飛ばしたから詳しくは見ていない」
「…そうでしたか。嫌なものを見せてすみません」
そう言って私は俯いた。それに対し、神童さんは私の反応に疑問をもつように声をかける。
「何故Aが謝るんだ。やったのはフィフスセクター側だろう」
「そうです。だけど、皆に不快感を与えてしまったかなと思って…」
「サッカー部の皆はともかく、俺は不快に思ってなどいない。寧ろ、雷門サッカー部の一員として君をもっと理解したいと思った」
彼は強い瞳を向けてそう明言した。その意志に、雷門のキャプテンとしての矜恃を感じた。
そして、真正面からそのように伝えられたことによって、私は彼に対しての安堵感と信頼感をより強めた。
神童さんはちゃんと私を見ようとしてくれているのだと。そう実感した。
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充滞(プロフ) - 夜月さん» 以前の作品も読んでくださりありがとうございます！諸事情でその小説は書くのを断念してしまったので読者の方には大変申し訳なく思っています。GOは自分にとって一番好きな作品であるため、この小説は必ず完結させます。(剣城の件嬉しいです！ふふ、惚れさせますよ^^) (2020年7月29日 23時) (
レス) id: ff878d9789 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 初めまして。遅くなりましたが続編おめでとうございます。私は、充滞さんの「トリップ少女」の頃からのファンで「桜前線」が投稿されたときには、喜びました。小説を読んでいて剣城くんに惚れそうです(笑)。長々とコメント失礼しました。 (2020年7月29日 22時) (レス) id: 332dcd6979 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - 倉木 勝さん» わ！様々な点を褒めて頂きありがとうございます！更新頑張ります^^ (2020年7月26日 23時) (レス) id: ff878d9789 (このIDを非表示/違反報告)
倉木 勝(プロフ) - めちゃめちゃ好きです…！！文章の書き方とか、キャラの性格とか、全部が好きです…！！更新頑張ってください！！！！楽しみに待っています！！ (2020年7月26日 21時) (レス) id: 5a008c300c (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです(号泣) 魅力的な作品になるよう頑張ります。更新頑張ります！ (2020年7月24日 19時) (レス) id: ff878d9789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2020年7月24日 16時
