第二話 ページ2
家が隣なのもあってか、幼い頃から風丸一郎太とは家族ぐるみの付き合いをしている。一郎太の家に惣菜を持って行ってと親から頼まれたら家のチャイムを鳴らして持って行ったし、その逆も勿論あった。両家の両親が仲が良く、その子供の私たちが側にいるのは自然なことだった。
中学に上がると、一緒に陸上部へ入部した。小学生の頃は走るスピードが互角だったのに、時が経ち成長するにつれて、私と一郎太には差が生まれた。それは残酷な男女の差だった。しかし、ある日一郎太は陸上部を辞めた。部員不足のサッカー部の助っ人として参加するだけのつもりが、サッカーに惹かれたらしい。どんどんと視野を広げて新たな自分になるため挑戦していくその姿を羨ましいと思ったこともある。
サッカーにも魅力は沢山あるだろうけど、それでも私は陸上が好きだ。風を切るように駆け抜けていく瞬間、過去の自分と競って記録を更新する瞬間は特に好き。レーンを曲がる時、前を走る選手を追い抜くのは楽しい。それに、雷門中陸上部の人間関係も好きだ。同級生の速水、後輩の宮坂とは放課後に寄り道する仲だ。
陸上部を辞めてサッカー部に転部した後も、一郎太は普段と変わらぬ様子で私と関わっていた。陸上部もサッカー部も朝練が始まる時刻は同じであり、カーテンを開けず寝坊している私を見かねて朝起こしに来てくれたことや、からかうように冗談を言われたこともあった。
そんな彼が素っ気なくなったのは、ほんのつい最近のことだ。
どこか余所余所しい。目を合わせない。手が触れただけで過剰な反応をみせる。
廊下の窓から外を見ると、ひとしきり雨が降っていた。テスト前でどの部活も活動を停止しているため、放課後は学校から活気がなくなっていた。
「＿...」
人気のない廊下を歩いていると、反対方向から歩いてきた一郎太とばったりと鉢合わせた。
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よーさく - は？てーてぇーんだが？？ (2023年3月7日 18時) (
レス) @page4 id: c88dc708d6 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - 花鈴萌さん» わわ！ありがとうございます！とても嬉しいです(泣)明日更新します！ (2023年2月21日 21時) (レス) @page2 id: a229a1ca73 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - こんにちは、コメント失礼します。めちゃくちゃ面白いです、もう最高です大好きです……！これからも応援しています。 (2023年2月21日 18時) (レス) id: 40828a89fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2023年2月16日 16時
