71. 閉鎖 ページ35
「えっ」
彼らはただこちらを見て、じっとしていた。意表を衝かれたような顔をしていた。急な叫びに困惑している様子だった。
「はやく！！！！」
私はそう言い残すと、すぐに踵を返し、一軍部室に向けて駆けた。室内で風を感じたのは初めてだ。空気が風に思える程、私は全速力で走っていた。
一軍部室の前に来た。自動ドアの前に立つも、ドアは開かない。何故だ。
「どういうこと…。ま、まさか」
中で何かが起こった。または、自動ドアが開かないように操作した。単純に電力が欠けている可能性も否定できない。わからない。
「優一さん！！開けてください！！」
私は自動ドアをドンドンと拳で打ち付けながら、中にいる筈の彼に訴えかけた。しかし、返事は返ってこない。この扉は結構頑丈だ。あまり中の音も聞こえないような造りになっている。防音が障壁になるとは。
「A、何があったの！？」
フェイや天馬が疑問を呈する。その後ろから信助や神童さん、ワンダバが駆けてくる。
「優一さんが消えちゃう。歴史改変が成功したから、消えちゃう」
「…！そういうことか」
フェイは即座に理解した様子を見せた。しかし、他のメンバーは依然として混乱していて、事態を受け止められないような表情をしていた。無理もない。あまりにも突然すぎて、色々なことが一度に起こりすぎたのだから。
「開けるには…。…鍵！！誰か鍵取ってきて！！」
「わかった。鍵を取ってくればいいんだな」
天馬たちの後ろにいる神童さんが頷くと、すぐに別の方向に走った。私はその間、扉越しに優一さんに開けるよう訴えた。神童さんはすぐに戻ってきて、鍵を私に手渡した。
「すみません、ありがとうございます」
「ああ」
雷門サッカー部のドアはオートロック式だが、安全性を考えて物理的に二重ロックにすることが可能だ。停電時に備えてという理由もある。
鍵をぐっと差し込み、手首を捻る。カチャリと音がした。
重い扉を全力で横に引く。その場にいたメンバーの力もあり、ドアは開いた。
その先には誰もいなかった。
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ルナストーン(プロフ) - …っ！？（何が言いたいか:最初から照れさせる気だったんですかぁっ！？） (2020年10月12日 0時) (
レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - ルナストーンさん» 読者の方を照れさせるつもりで書いたので良かったですー！ハハ (2020年10月12日 0時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» ぁ…因みになんですが…消しても大丈夫です。僕は…。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» （［甘い戯れ］の後のやつの最後に向けてなのです）こちらも見ていて何故だか恥ずかしくなります。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - 夜月さん» 見てみたいですね〜。いえいえ (2020年10月11日 22時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2020年10月10日 21時
