63. 士気の鼓舞 ページ26
私たちはTMキャラバンの運転席近くに集まり、古びたボールをアーティファクトとしてセットし終えた状態でワンダバの分析結果を待っていた。その間、優一さんが忽然と姿を消したその場は依然として消沈していた。なにせ試合に負けたのは初めての経験と言っても過言ではないのだ。フィフスセクターの指示により去年度は敗北せざるを得なかった経験をもつ神童さんはまだしも、天馬や信助にとって「試合に負けた」という経験は打撃だろう。
天馬がぽつりと試合の敗北について言葉を漏らす。フェイは考え込むようにしながら彼自身の見解を話した。
「今回負けた理由としては、相手の急激な力の高まりが考えられる。後半から急に相手の動きが変わらなかった？」
「確かにそうだな。前半まではこちらが圧倒的に有利だったはずだ」
「なんでアルファたちは急に勢いがついたんだろう」
試合を思い出す。神童さんの言う通り、前半戦はかなりこちらが優勢だった。連携も上手くいっていた。なのに、後半に変わるなりアルファらのスピードやキック力が急激に高まった。
あんなの、原作になかった。あんな展開を私は知らない。
未知の展開に出会ったのは、ファイアトルネードTD以来だ。まだあれは理解できた。今の件は理解できない。
「ワンダバ、まだ時間かかりそう？」
「…ああ。波長が合わないんだ。一つの日付しか出てこない」
「事故が起こった日だけかあ」
フェイは落胆する素振りを不意に見せた。だが、思いに耽る様子は一つもない。
「困ったね。相手が何故力が高まったのかを知ることができなければ、次の戦いの対策ができなくなる」
「そうなると、どうなるの？」
信助が尋ねる。フェイは深刻な顔をしながら答えた。
「このままだとエルドラドは、別の方法で僕たちからサッカーを奪うだろう。サッカーの歴史は長いからね、様々なアプローチでサッカーの存在を消去することは可能なんだよ」
「そ、そんな…」
「だから、今できることをしなくちゃ。負けたからと諦めたらそこで終わりさ」
フェイは力強い目をしながら私たちに笑顔を見せた。一気にその場の雰囲気が変わる。彼が起点となり、士気が高まった。
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ルナストーン(プロフ) - …っ！？（何が言いたいか:最初から照れさせる気だったんですかぁっ！？） (2020年10月12日 0時) (
レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - ルナストーンさん» 読者の方を照れさせるつもりで書いたので良かったですー！ハハ (2020年10月12日 0時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» ぁ…因みになんですが…消しても大丈夫です。僕は…。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» （［甘い戯れ］の後のやつの最後に向けてなのです）こちらも見ていて何故だか恥ずかしくなります。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - 夜月さん» 見てみたいですね〜。いえいえ (2020年10月11日 22時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2020年10月10日 21時
