51. 根本的に欠けているもの ページ14
懸念は杞憂に終わり、河川敷のグラウンドで剣城兄弟はサッカーをした。優一さんは楽しそうにしていて、京介は恐る恐るだが徐々に楽しそうな様子に変わっていった。それを私たちは眺め、ただ見守った。
一つのボールを追いかける兄弟。留学していた兄はともかく、サッカーから離れた弟もあそこまでのプレー技術をもっているなんて驚きだ。やはりあの兄弟はサッカーの才能がある。それを実感した。
彼らのサッカーが終わって帰宅してから、優一さんは自分から京介やサッカーのことを話さなくなった。彼の心境を察し、私を含む皆は何も関連のことを尋ねなかった。
.
夕食後、私は再度河川敷に一人で向かった。誰にも断りを入れずに、ただ一人だけで来た。
「化身アームド…」
夜風を感じながら私は目を閉じる。ただ静かで緩やかな風を全身に受け、そして精神統一した後に化身を発現させた。
「アームド！！」
しかし、やはり思い通りには成功しない。昨日の試合で成功したのは、化身の共鳴現象の影響を受けたからだ。弾いた弦のように、いくつものパラレルワールドに存在する私同士が影響を及ぼし合い、そして既に世界軸は収束されている。
現状打破する方法。それは特訓。またはそれ以外の方法。
特訓によって実力を高めるのは当然だが、一人の練習だけでは限界がある。特訓以外の方法は、シュウの監督を受けることだろう。
今できることをまずはする。できるだけ他人に頼らない。ストーリー展開に頼らない。
それだけだ。
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「アームド！」
何度叫んだだろうか。ある時、化身が一瞬私の身体に纏った。
「っし…」
心の中でガッツポーズをとる。ゆっくりではあるが、着実に進んでいる。
だが、根本的ななにかが足りない。大きな原動力が足りない。それは一体なんだろう。
「私だって、雷門の一員なんだ。みんなの役に立てるように自分が変わらなくちゃ」
思い切りサッカーボールをゴールに蹴り込んだ。できない苛立ちがシュートとして発散される。
「なにが...足りないんだ...。くそっ」
汗を拭いながら舌打ちをする。そして、もう一度やけになってシュートを打った。
このもどかしさ。できそうなのに、できないこのもどかしさ。
「誰よりも先に...やってやる！！」
答えは、まさに灯台下暗し。
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ルナストーン(プロフ) - …っ！？（何が言いたいか:最初から照れさせる気だったんですかぁっ！？） (2020年10月12日 0時) (
レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - ルナストーンさん» 読者の方を照れさせるつもりで書いたので良かったですー！ハハ (2020年10月12日 0時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» ぁ…因みになんですが…消しても大丈夫です。僕は…。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» （［甘い戯れ］の後のやつの最後に向けてなのです）こちらも見ていて何故だか恥ずかしくなります。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - 夜月さん» 見てみたいですね〜。いえいえ (2020年10月11日 22時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2020年10月10日 21時
