50. 起こる筈の出来事 ページ13
汗だくの手で天馬にメールを打つと、すぐに電話が来た。どこにいたのかや、何をしていたのかと次々に問いただされた。予想以上に心配をかけたらしい。取り敢えずは河川敷に集合ということになった。
空を眺めると、既に夕焼け色で染まっていた。いつの間に夕方になっていたのか。美しい朱が視界に広がっている。
そこでハッとする。
原作では今頃、剣城兄弟は河川敷でサッカーをしていた。しかし、今はその出来事が起こっていない。あの大事なイベントはまだ起こっていない。
「これって不味いんじゃ、…」
優一さんにとって、京介とのサッカーはとても大切な過程だ。あのサッカーがなければ、優一さんの未練は晴れない。
「…今は河川敷に行くかぁ」
重い溜め息を吐きながら私は歩き始めた。
＿＿＿＿＿
「A。本当に心配したんだよ」
「まあまあ。見つかったんだし、結果オーライだ」
「まさか剣城の家にいたとはな」
「なんで靴ないの？」
「ちょっと色々とあって...」
天馬に経緯を根掘り葉掘り聞かれ、私は言える範囲で事を説明した。ゲームセンターの前で京介と出会い、そこから彼の家に行き、格闘ゲームをしたと。フェイはその説明を興味深そうに聞いていた。
「このパラレルワールドのAは剣城京介と付き合っていたんだよね」
「Aが剣城の彼女かあ」
「逢瀬は楽しかったか？」
「…まあね？」
ワンダバの下世話な質問を流し、丁度精神が落ち着いたところで私は思考を始めた。
本来であれば、今日の夕方に剣城兄弟が河川敷でサッカーをし、明日に6年前の歴史改変を止めに行く。アルファらに勝利した後、現代の雷門中に戻り、サッカー禁止令を解く過程を経て、本格的に時空最強イレブンの話に移る。そういったシナリオだった筈だ。
仮に今日優一さんと京介がサッカーできなかったとしても、最悪明日に都合をつけてすることもできるし、優一さんが諦めるという選択肢もある。それは考えたくはないが、現時点では「改変された歴史が定着する前に優一さんの事故の改変を止める」ことが最優先だ。優先順位は優一さんも重々承知しているだろうし、覚悟もあるだろう。その覚悟は昨夜実際に彼と話して実感した。
「...今、優一さんは？」
「家に向かったぞ」
「そうなんだ...」
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ルナストーン(プロフ) - …っ！？（何が言いたいか:最初から照れさせる気だったんですかぁっ！？） (2020年10月12日 0時) (
レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - ルナストーンさん» 読者の方を照れさせるつもりで書いたので良かったですー！ハハ (2020年10月12日 0時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» ぁ…因みになんですが…消しても大丈夫です。僕は…。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 充滞さん» （［甘い戯れ］の後のやつの最後に向けてなのです）こちらも見ていて何故だか恥ずかしくなります。 (2020年10月11日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - 夜月さん» 見てみたいですね〜。いえいえ (2020年10月11日 22時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：充滞 | 作成日時：2020年10月10日 21時
