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その日の晩。
灰崎はふてくされて誰とも口を聞かずに部屋に閉じこもってしまった。夕食の時間になっても訪れないので同室のヒロトに持っていってもらうことになったものの心配だ。謝ったほうがいいのだろうか。
いや…でも背負い投げしたことを後悔してないのに謝罪したところで実質意味がない。それを灰崎自身もよく理解しているだろうから怒りを買うだけだろう。
「今日は色々大変な１日だったな」
声のした方を向くとそこには円堂さん。
ちょうど食べ終わって食堂を出るところだ。
ニッと綺麗な歯を見せて笑った。
しかしその目は寂しそうに見えた。
「…キャプテンこそ」
何て返せばいいのか分からない。
少し目を逸らした。
「…なあA。少し俺の散歩に付き合ってくれないか？」
「…！ええ、勿論。
あっでもちょっと待ってください。あとこれ食べ終わるだけなので」
デザートのオレンジをガッと頬張り、その塊を呑み込もうとしたが喉に詰まった。ガハッガハッと女子とは思えない必死な咳き込みをしていると目の前に座ってゆっくりと食事している不動先輩は「おい大丈夫か？」と心配してくれた。だがうっすらとバカにした笑みを浮かべたのを私は見逃さなかった。
「おいおい、急がないんだからゆっくりでいいんだぞ。…大丈夫か？水飲む？」
私は胸を懸命に叩き、円堂さんが背中を叩いてくれた。だ、大丈夫ですと言ったはいいが内心大混乱だった。死にそう。苦しくて死にそう。
喉の奥側にオレンジがあるのを悟り、どう頑張っても吐き出せそうにないので水を多く飲む方へ解決策をシフトした。無駄に大きく身体に水を飲む音が響く。やばい死ぬ。息ができない。あっ……なんとか通過してくれた。はあっ！と大きく酸素を取り込みなんとか一命は取り留めた。
「フッ、必死な顔も可愛いんだなお前」
「ぜぇ…ぜぇ…口説いているつもりですか先輩」
「そうだったらどうする？」
「はぁ…はぁっ……」
不動先輩はからかっているつもりなのだろうけど私は息をすることにしか意識を集中していなかったので返答できなかった。
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BvK(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！ (2022年6月12日 17時) (
レス) @page12 id: a728af020d (このIDを非表示/違反報告)
deku(プロフ) - 本当に面白いです！気付いたら見入ってました！！更新頑張ってください！！ (2019年2月5日 18時) (レス) id: b98b6ba213 (このIDを非表示/違反報告)
月夢 星來 - この小説本当に面白いですね！更新してくれることを祈ります！ (2019年2月3日 23時) (レス) id: a6957c9755 (このIDを非表示/違反報告)
じゅうたい(プロフ) - みさにゃんにゃんさん» わああありがとうございます(*^^*)！！ (2018年12月29日 21時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
みさにゃんにゃん(プロフ) - 何このオリオン得すぎるwwwこのオリオンなら好きすぎる発狂した！更新頑張ってください！ (2018年12月27日 23時) (レス) id: 26f7629d99 (このIDを非表示/違反報告)
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