13. 自分試し ページ13
平日ということもあってか、河川敷には誰一人としていなかった。だけど錆びれた白いゴールポストには幾つものボールが直撃した跡が残っていて使用感があった。木製のベンチの下には、陰に重なるようにネックレスが落ちていた。落としものだろうか。
よし、と自分に喝を入れてボールをセットする。
まずはリフティング。
現実では100回は超えられる。地道に努力してきた成果だ。それも、円堂くんのようにサッカーができるようになりたいという志があってこそである。
つま先でトンッと軽く持ち上げてから身体全体を使ってボールを跳ねさせる。最初は程度が分からなくて感覚を掴んでいき、次第にできるようになっていった。
ここで分かったことが一つある。
ボールが軽い。
現実での体感的な重さの半分くらいは軽減されている。いやあ、驚いた。手に持ったときの重さも若干軽めだ。
そしてシュート。
これが一番やりたかった。このイナズマイレブンの世界で生きていく上で、威力のあるシュートを打てることは大きなアドバンテージになる。
四肢が嬉しさで震えていた。口角が上がり、舌舐めずりをする。乾いた唇を湿らしてから真っ直ぐ前を向いた。
「ははっ………い、くよっ…！！」
身体の力を抜いて、ゴールの真ん中に焦点を定める。そして、思いをぶつけるように本気で蹴った。
爆発音。
ドォンと大きな音がして、一瞬にして煙がもくもくと出現する。バチバチと電気を帯びたボールがゴールネットに突き刺さり、重力に従って落ちて跳ね返った。
「お、ぉお…？」
ゴール前は大きな窪みができていた。唖然としながら暫くそこをじっと見つめた。電流と爆発。その二つが混合したシュート。…のように見えた。
今度は勢いを弱めて再度蹴ってみる。すると、普通にノーマルシュートがゴールへ入った。
ゴールから一歩下がり、一度立ち止まって考えてみる。その場でしゃがんでボールを見つめながら。
(私は……電流と爆発を起こす属性なのか…？)
それ以上は何も分からない。
だけどそれを深く探るように何度かシュートをしてこの世界における自分の能力を試していった。
誰かが見ているとは知らずに。
続く (更新停止中)
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充滞(プロフ) - 沙稀乃さん» ひゃ〜！！ありがとうございます！頑張ります！ (2019年10月14日 13時) (
レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - 面白いです！めちゃくちゃ話の続きが気になる…！頑張ってください！！ (2019年10月14日 12時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
じゅうたい(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます(*^▽^*)！ (2019年1月5日 7時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 話の内容がまとまっていて、面白いです！(*´ω`*) (2019年1月4日 17時) (レス) id: 5c34b26001 (このIDを非表示/違反報告)
じゅうたい(プロフ) - 咲夜さん» そう言って頂けると励みになります( ；∀；) 頑張ります！ (2019年1月3日 10時) (レス) id: 48c4c5694c (このIDを非表示/違反報告)
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