Episode 20 ページ20
「ごめんってほら、泣かないで？」
そういうとマンちゃんは
自身のセーターの袖を伸ばし、私の涙を優しく拭った。
『泣いてない別に怖い訳でもない』
「あからさまに泣いとるやん〜」
おっかしーとでも言いたげに笑う。
あんたらのせいだと言いたい。
「ノアちゃ〜ん」
マンちゃんの涙を拭っていた手を持ち、声の主のうっつんを見ると
腕を広げて待っていた。
俺の胸に飛び込んでこい、との事だろう。
誰が行くか。誰が態々自分から
死にに行くような行為をするのか。
そして私はないていない。
『え、いや行かんよ？』
「ほら大先生が珍しく優しくなっとるんやから、存分に甘えな」
そんなことを言いながら私の背中をグイグイ押してくるマンちゃん。
「コラコラ。マンちゃん
僕はいっつも優しいで」
「どうやろねぇ」
「というかマンちゃんに言われたないで」
二人がプチ喧嘩をしていることなど全く視野に入れず
私はひたすらうっつんの胸元へと私の背中を押すマンちゃんに抵抗していた。
後ろにいられるならまぁまぁといった感じだが、前はほんとに無理だやめてくれ。
殺す気なのか？というか大前提にこちとら年頃の娘やぞ。
おいやめろ、押すでない！
『マンちゃんマジ勘b』
一瞬気を抜いてしまい、
正面からうっつんの胸元へとダイブする形になってしまった。
死……。
「おっと」
「あ、ごめんめぅ……ノア？大丈夫？」
『……』
「あり？なんの反応も示さん……」
「もしかしなくても固まっとる？」
「え、これどないしよ」
「ノアー？」
うっつん、マンちゃんが2人してなんの反応も示さない私を不思議に思い
私の肩をポンポン叩いたり、少し揺すったりしている。
それに対し、私の心の中はまた酷く荒れ果てていた。
さっきまでの恐怖心は少しだが消え失せ、今度は
羞恥心。それから理性、本能との戦いが私を襲う。
ダメだ落ち着け私、ここで本能に従ってしまったら
私は色んな意味で死んでしまう。
そうだこういう時は深呼吸が1番だ。
そう思い、一気に息を吸ったのが馬鹿だった。
うっつんの匂いが私の鼻腔をくすぐった。
瞬間、私はバッとうっつんの胸元に埋まっていた顔を上げ
自身の両頬をペチンと叩いた。
その行動に二人は驚いていた。
「えと、ノア？」
「大丈夫…なん？」
マンちゃんのその言葉ににっこり笑って大丈夫と告げる。
心做しか引かれているが気のせいだ。きっと。
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くれいのあ(プロフ) - BANDさん» ありがとうございます！<(_ _)>〈 ｺﾞﾝ!〕 (2021年5月30日 7時) (
レス) id: c40cd9804d (このIDを非表示/違反報告)
BAND(プロフ) - あ、はい。神作ですねありがとうございます(((スライディング土下座))) (2021年5月30日 1時) (レス) id: cb43568772 (このIDを非表示/違反報告)
月琴(プロフ) - 漣＠えなみずつよいさん» わぁありがとうございますゥ！お母さんだよこんにちは(？) (2021年2月26日 22時) (レス) id: c40cd9804d (このIDを非表示/違反報告)
漣＠えなみずつよい(プロフ) - 尊すぎてｵﾝｷﾞｬｱです()赤ちゃんに戻りましたこんにちは (2021年2月22日 17時) (レス) id: 4335f2c288 (このIDを非表示/違反報告)
月琴(プロフ) - 天さん» 出来るだけ早めに頑張っていきますはい。受験シーズン終わったら今より更新していく予定ですのでｯ(多分.......) (2021年1月17日 20時) (レス) id: c40cd9804d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月琴 | 作成日時：2020年11月23日 9時
