恋人未満系彼氏【花巻貴大】 (ページ5)

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甘党の乱ページ5

日曜日、甘い匂いが店いっぱいに漂う店内。

私と花巻の共通点と言えば甘い物が好きと言うことだ。

主に洋菓子。

別に付き合っている訳では無いが、花巻以外に友達がいない訳では無いが、よくケーキを一緒に食べにいく。

私の友達はチーズドックとかそっち系が好きだからシュークリームが好きという見た目からは想像が出来ない花巻とはぴったりなのだ。

「季節限定とかはずせないっしょ」

『女子かよ』

と思った方挙手。

まぁ口に出してしまったわけですが私と花巻は最近できたケーキ屋さんに来ている。

『あっ私これにする』

私が指さしたのは季節限定と書かれたいちごのケーキだ。

以下にも女子っぽい。

それに美味しそう。

「俺もそれにしようと思ったのに」

『一口あげるから』

そう言うと花巻は曇った顔で違うケーキを選んだ。

優雅なクラシックが流れる店内の椅子に腰を落とす。

『やっぱりこれにして良かった』

味も以下にも女子っぽい。

それに可愛い。

「A一口ちょーだい？」

そう愛嬌してくる花巻。

ケーキをそのまま顔にぶん投げてやろうと思ったがケーキに失礼なので、一口サイズのケーキを花巻の皿にのっけた。

「アーンしないんだ」

『するわけねーだろバカ』

そう口が悪くなる私に対してムスッとする花巻。

何故か憎めない。

『私が一口あげたんだから花巻もちょーだいよ』

「いいよ、はいアーン」

素直に聞くなって思ったらふざけたことを言い出した。

それも憎めない。

少しからかってみようと思い

『やっぱいいわ』

と冷めて言って見るが花巻はしょんぼりしながら私を見つめる。

それも憎めない。

流石に可哀想なので下ろしかかった、ケーキの刺されたフォークから一口貰う。

『あっさっぱりしてるね、おいしい』

「Aのバカ、本当にすると思わなかった」

なんやそれ。

一口くれるって言ったから食べたのに。

だけど花巻が機嫌悪くなると嫌だから反論しないでおこう。

『何かゴメン』

この後、花巻は話しかけても答えなかったが何処か嬉しそうだった。