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177:彼はどう思うんだろう ページ27

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W『 ……会いに来たんだよ、Aに。…でも…インターホン押しても、なかなか出て来ないから 』

「 …すみません、ちょっと出掛けてて… 」

W『 ……こうやって会えたから、良かった。……もう…会えないかと思ったから… 』

「 …えっ、もしかしてオッパ…、私が帰って来るの、ずっと待ってたんですか…?」

私の問いに、ウォヌオッパが首を縦に振る気配がした。少し視線を上げると、彼の首には確かに、汗が伝っていた。いつからいたんだろう。どのぐらい私を、待っていたんだろう。今日はとても、暑かったのに。………それだけ、私に会いたいと、思ってくれていたのだろうか。

健気さに、いじらしさに、胸がギュッと締め付けられた。勇気を出して、オッパの背中に腕を回す。握ったTシャツには、汗が滲んでいた。



W『 ……あっ………ごめん…!』

ハッとしたように、オッパの腕が解かれる。ゼロ距離だった私達の間を、夕方の少し冷たい風が吹き抜けていった。

ドキドキとうるさい心臓を落ち着かせるように、酸素を求めるように、大きく深呼吸をする。頰が熱い感覚がして、パタパタと手で扇いでみたけれど、あまり効果はなかった。



W『 ……ごめん、顔赤いね 』

ゆっくりと視線を上げると、眉尻を下げて微笑むオッパと目が合った。すみません… と言ってみたけれど、何に対する謝罪なのかは自分でもわからなかった。



W『 ……なんかダメだね、俺 』

「 ……え…?」

W『 Aがいなくなっちゃうって考えたら、どうしても焦っちゃって。その前に、どうしても話さなきゃって… 』

首の後ろに手を置き、俯くオッパ。相変わらずキレイなその横顔を見ながら、彼の言葉を頭の中で反芻する。いなくなる……その前に……。


ああそうかと納得する。漸く、オッパの言葉の意味がわかった。そうだった、私はまだ、彼に自分の答えを伝えていなかった。



「 ……ウォヌオッパ、」

名前を呼ぶと なに?と首を傾げたオッパと再び目が合う。


「 ……私、まだ韓国に残ることにしたんです 」


オッパにはまだ伝えていなかった、私の答え。言うなら絶対に、今しかないと思ったんだ。


「 …悩んでたんですけど……やっと、答えを出せたので 」

あれだけ、オッパに言うことを躊躇っていたのに。ずっと手にしたかった勇気は、意外と近くに落ちていた。私が手を伸ばせば、届く距離に。



ほんとに…?と私に確認をするように問い掛けてきたオッパの目は、真ん丸になっていた。




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アオコ(プロフ) - 千笑さん» コメントありがとうございます!もう文面から作品を楽しんで頂けたのかなっていうのが伝わってきてそれだけで私は幸せです…!私も10時10分に返信すれば良かったって今後悔してます笑(TMI!!) (2021年8月28日 21時) (レス) id: 5d8cfe873d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 全く関係ないんですが、今書いてる時間が10時10分で運命感じてます笑笑 (2021年8月27日 10時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 前作も合わせて、とても素敵な物語でした!私はずっとウォヌ派でした(笑)。前作のホシさん存在と、星に願う。と言うタイトルをかけたのかなあって思ってましたが、予想は外れてました(笑笑)。楽しかったです!ありがとうございます! (2021年8月27日 10時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アオコ | 作成日時:2021年1月24日 20時

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