１６９：その言葉の真意を知りたいと ページ19
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ウォヌオッパが何も言葉を発してくれないことに戸惑い、焦って1人でしゃべってしまう。すみません と店員さんを呼び止めようと挙げかけた手は、目の前から伸びてきた手に掴まれた。
何度触れても慣れないその大きな温もりに突然包まれたことに驚き、慌てて前を向く。目が合ったオッパは、こちらを真っ直ぐな視線で射抜いていた。
私を包む温もり。私を貫く視線。私が動けなくなったことを感じたのか、オッパは掴んでいた私の手を自分の方へ引き寄せた。テーブルの上で、手の甲をその長い指で撫でられる。それにつられるように、私は手を裏返して彼の手を握り返した。
W『 ………だったら、』
「 ……え…？」
小さな声が聞こえたような気がして、手元に落としていた視線を上げる。同じタイミングでこちらを見たオッパと目が合う。……彼は、いつになく真剣な表情をしていた。
W『 ……ずっと、ここにいれば良いじゃん 』
今度は、小さな声ではなかった。騒がしい店内でも、はっきりと聞き取れるぐらいの声量だった。聞き間違えることがないからこそ、その言葉に驚いた。えっ と喉の奥から出た声は、掠れていた。
W『 ……やりたいこととか、夢が見つかるまで、ここにいなよ 』
「 ………あの…、それって…… 」
W『 …ミョンホだって、留学1年伸ばして、ジュニみたいに大学に編入するんでしょ？』
「 …みたい、ですね… 」
W『 ……だったら、Aもそうしなよ 』
オッパは、冗談を言っている風ではなかった。……だからこそ、心臓の動きがどんどん加速していく。休む方法なんて、忘れてしまったかのように。
W『 ……帰らなくて、良いじゃん 』
ねえ、オッパ。私って、単純でバカなんですよ。……だから、そんなこと言われると、期待しちゃうんです。
私がオッパとずっと一緒にいたいと思っているように、あなたも同じ気持ちでいてくれてるんじゃないかって。
W『 ……いてよ、ここに 』
やめてください、これ以上、期待ばかりさせるのは。
だけど、そんなことを素直にオッパに言えるわけがなくて。上手く呼吸が出来なくなっていることを認識した途端、今この瞬間に、どんな言葉が似合うかも考えられなくなった。
私もほんとは、オッパやみんなとずっと一緒にいたい。……そう言えれば、どれだけ楽になれたことだろう。
…だけどやっぱり、言えなかった。言葉にしてしまえば、私はほんとうに、ここから離れられなくなるような気がして。
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アオコ(プロフ) - 千笑さん» コメントありがとうございます！もう文面から作品を楽しんで頂けたのかなっていうのが伝わってきてそれだけで私は幸せです…！私も10時10分に返信すれば良かったって今後悔してます笑（TMI！！） (2021年8月28日 21時) (
レス) id: 5d8cfe873d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 全く関係ないんですが、今書いてる時間が10時10分で運命感じてます笑笑 (2021年8月27日 10時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 前作も合わせて、とても素敵な物語でした!私はずっとウォヌ派でした（笑）。前作のホシさん存在と、星に願う。と言うタイトルをかけたのかなあって思ってましたが、予想は外れてました（笑笑）。楽しかったです!ありがとうございます！ (2021年8月27日 10時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオコ | 作成日時：2021年1月24日 20時
