１６５：思い出のひとつを消せるわけがない ページ15
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私もそこへ、自分の親指をくっ付けた。指を解き、掌を付けたままお互いに引き合う。
W『 …知ってるんだ、韓国の指切り。日本とはちょっと違うって聞いてたけど 』
手を下ろした後、少し不思議そうな表情を浮かべたウォヌオッパに まあ… と頷く。
「 …したことはなかったですけど、なんとなく聞いたことあったので 」
色んな 初めて を、オッパと一緒に体験出来ている。居酒屋、ゲームセンター、指切り。その事実が、とても幸せだと思った。目の前で そっか と微笑む彼を見て。
ゲームセンターを出た頃には、6時前になっていた。
「 …楽しかったです！また一緒に来たいです！」
駅に向かって歩きながら、オッパを見上げる。そうだね と彼も頷いてくれたのが、嬉しかった。
袋もカバンもないから仕方ないんだけど…この歳になってぬいぐるみを抱き締めて歩くの、結構恥ずかしいな。
「 …晩ごはん、何にしますか？」
時間もちょうど良いと思い、ホームで電車を待ちながら聞く。
W『 居酒屋行かない？ほら、この前2人で行った 』
そう言われて思い当たるのは、1つしかない。良いですけど… と頷く。
「 …せっかくの誕生日なのに、居酒屋で良いんですか？もっとこう……豪華というか、オシャレな所とか 」
W『 Aとなら多分、どこ行っても楽しいと思うんだよね 』
微笑んだオッパは一体、どういう意味を込めてこんなことを言ってくれたんだろう。嬉しい。すごく嬉しい、純粋に。好きな人から 一緒にいて楽しい と思ってもらえることが、こんなにも嬉しいことだなんて……私は、知らなかった。
「 ……私もオッパといるの、楽しいです… 」
オッパから目を逸らし、俯きながらそう言う。恥ずかしくて、嬉しくて、もどかしくて、擽ったくて。私がそうして色んな感情の間で揺れていることを、小さく笑って私の頭を撫でた彼は、全てわかっているようだった。
その時ちょうどやって来た電車に乗り込む。空いていた席に並んで腰を下ろした時 あ、そうだ と何かを思い出したように口を開いたオッパ。
「 どうしたんですか？」
W『 A、さっき俺のこと撮ってたでしょ？』
「 ？！」
バレてたんだ……絶対気付かれてないと思ってたのに……。
W『 ちゃんと消しといてね、盗撮はダメだから 』
どの口が言ってるの……。
「 …………はい、」
私の返事が守られないことなんて、隣で緩く口角を上げているオッパにはきっと、お見通しなんだろう。
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アオコ(プロフ) - 千笑さん» コメントありがとうございます！もう文面から作品を楽しんで頂けたのかなっていうのが伝わってきてそれだけで私は幸せです…！私も10時10分に返信すれば良かったって今後悔してます笑（TMI！！） (2021年8月28日 21時) (
レス) id: 5d8cfe873d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 全く関係ないんですが、今書いてる時間が10時10分で運命感じてます笑笑 (2021年8月27日 10時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 前作も合わせて、とても素敵な物語でした!私はずっとウォヌ派でした（笑）。前作のホシさん存在と、星に願う。と言うタイトルをかけたのかなあって思ってましたが、予想は外れてました（笑笑）。楽しかったです!ありがとうございます！ (2021年8月27日 10時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオコ | 作成日時：2021年1月24日 20時
