163:掻き乱される ページ13
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目に少しかかる長めの前髪もすごくカッコ良い。…好き過ぎてフィルターかかってるのかと思ったけど、多分そういうことじゃない。ウォヌオッパがカッコ良いのは事実だし。
そんなオッパとは対照的な私が、彼の隣に立てているという現実がすごい。改めて写真を見て思った。
……だけどまあ、私がこんな顔になってるのも多分オッパのせい。でも、彼が 良い感じ と言ってくれるのなら、その言葉を信じよう。
そこから離れ、ゲームセンター内を歩いていると、見つけたクレーンゲーム。その中にあったぬいぐるみが、視界に入った。思わず 可愛い… と口にしながらそこへ駆け寄ると、オッパもついて来てくれた。
「 ……この子、めちゃくちゃ可愛くないですか?」
私が指差した先にあるのは、メガネをかけた猫のぬいぐるみ。グレーでお腹だけ白いこのぬいぐるみは、何かのキャラクターなのかな。……でもなんか、なんとなく……。
「 …なんとなく、オッパに似てません?」
そう言うと、オッパは そうかな?と首を傾げたけれど、……やっぱり、どこか似てるよ。
オッパは元から猫みたいな人だと思ってたし、メガネをかけている辺りも似てると思う要素の1つだろう。
「 …これやってみても良いですか?」
W『 うん、やりなよ 』
お金を入れ、レバーでクレーンを操作する。横から見ていたオッパの もうちょっと奥じゃない?などの指示を聞きながら、ここと思ったところでボタンを押した。
クレーンが下がり、アームが開く。アームは猫の頭辺りを掴んだけれど、猫はすぐにそこから離れて落ちてしまった。
「 ……やっぱ難しいですね… 」
元の位置に戻ったクレーンを見ながら呟くと これ、欲しいの?とオッパが顔を覗き込んできた。
「 ……欲しいっちゃ欲しいですけど……でも今やってみて難しそうだったんで、諦めます 」
オッパに似ているし可愛らしいし、一目惚れをしてしまったこのぬいぐるみが確かに欲しい。…だけどこれ、一生取れない気がする。
W『 ……代わって 』
オッパに肩を押され、私が先ほど立っていたクレーンゲームの前に彼が立つ。
お金を入れているオッパを見ながら えっ と声を発すると、彼はこちらを見て、
W『 取ってあげるよ、これ 』
と笑った。
「 ……え、取れるんですか?」
W『 わかんないけど……Aが欲しいなら、取ってあげたいじゃん 』
クレーンの位置を操作しながら私の問いに答えたオッパに、何も言えなくなる。
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アオコ(プロフ) - 千笑さん» コメントありがとうございます!もう文面から作品を楽しんで頂けたのかなっていうのが伝わってきてそれだけで私は幸せです…!私も10時10分に返信すれば良かったって今後悔してます笑(TMI!!) (2021年8月28日 21時) (レス) id: 5d8cfe873d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 全く関係ないんですが、今書いてる時間が10時10分で運命感じてます笑笑 (2021年8月27日 10時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - 前作も合わせて、とても素敵な物語でした!私はずっとウォヌ派でした(笑)。前作のホシさん存在と、星に願う。と言うタイトルをかけたのかなあって思ってましたが、予想は外れてました(笑笑)。楽しかったです!ありがとうございます! (2021年8月27日 10時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオコ | 作成日時:2021年1月24日 20時