失礼、その子俺の。【及川徹】 (ページ10)

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SOSです。ページ10

起きる。
　とても体がだるい。
　体の芯の熱さと、感じる寒さに顔を顰める。
(やばい)
　漏れなく風邪。絶対に風邪。
　熱を測ってみる。
(あっこれは)
　38度7分。
「がっこーいけないぃー･････」
　いつもは出さない、低い声域。
　今日は、この部屋が最大移動距離かも？
「お、いかわくんに会えないなぁ。あと今日小テスト･･････だし･･････、絢ちゃんに教えてもらおう･･････」
　こんなときでも、思い出すのは及川くん。
「岩泉くんよ、フルボッコにしないでくださいよぉ･･････」
　多分、私がいるから岩泉くんは手加減してるのではないかと推測されるのである。
　･･････とにかく、母さんに報告。
　リビングへ行き、母さんに「熱、ある」と言った。
「顔がちょっと、やばいから寝てなさい」
「ほいよ･･････」
　ベッドに寝転がり、唸る。
　そういや昨日は、体がだるかった。あぁあ、何だよー昨日12時に寝ちゃったんだが。ちぇっ。
「スマホ、･･････」
　ごめんなさい、のほうがいいかな？や、もう熱だし自分を甘やかそう。
　しゅぽ、と気の抜けるような音が小さく鳴った。
A今日熱出たから休みます迷惑かけるかもごめんね
　1分ほど経った頃、絢ちゃんからの返信が立て続けに届いた。
絢っちょ大丈夫?
絢今日の授業は教える
絢てか及川に言っときたいことはあって??
　ふふ、と笑いが漏れる。
「あんた、スマホばっか見てないで寝なさいよ。母さんもう仕事行くから。ほんっとにもう～～～」
　1から10まで、世話を焼いてくれる。それがうざったい時もあったけど、今はそれが母さんだとわかってるから。なんだか絢ちゃんに似てるかも？
「ありがとう。多分疲労がたたっただけだし大丈夫」
「それは大丈夫じゃないからね。今年受験あるんだから、体調管理は大事になってくんのよ。じゃ、母さんは仕事行ってきます」
「いってらっしゃい」
　母さんが出ていって、絢ちゃんに返信する。
　なんて返そうか。
　あ、いいこと思いついた。でもなあ、引かれたらヤダし･･････。もういいや。送ってしまえ。
A心配ありがとうございます。まあ大丈夫だと思います
及川くんの声が聞きたいです(本人には言わないでね??:#85E249)
　絢ちゃんにも引かれてしまったかもしれない。
　もういいや、今は寝たい。