無気力です。 ページ9
「バレー、及川くんめっちゃ得意ですもんね。･･････岩泉くんもですよ勿論」
休み時間、４人で話していたら、体育祭の話になった。それにしても、このクラス体育祭わくわくハッスルしてるんだよなあ。まああと２週間後だっけ。はしゃぐの早くない？
「なぁに、岩ちゃん褒められる俺に嫉妬した？ 嫉妬も大概にね、ってウゲェ！？」
「うるせぇわ黙れクソ川！！」
ヘッドロックを決められる及川くんに、絢ちゃんが鼻で笑う。
(高身長の２人が争ってたら、迫力満点ですなぁ)
なんというか、及川くんと付き合ってから２ヶ月弱くらいなわけだけど、及川くんの体も丈夫なんだな、と日々感じる。そりゃあ一介のアスリートなんだから、当たり前なんだけど。
「絢ちゃんはバレーとリレー、でしたっけ？」
「そーそ。バレーは今まであんまり経験ないからなぁ。やってみようかと思ったわけですよ」
さすが、こちらも運動神経の妖怪。
日曜日の昨日も、助っ人で剣道部の練習試合に参加したらしい。カッコ良すぎか私の親友。
やったことないからやろっかな、なんてのがまず私と全く違う。すごいわ。
「そういやリレー、学年対抗やったよな？ 練習しななぁ」
「そ、ですねぇ」
はは、と引き攣り笑いを浮かべた。
やりたくないもんだ。走るのはシンプルでいいけれど、ちと辛い。
「Aちゃんは、スポーツとか得意なの？」
「平均くらいはできますけど、嫌いですね。なんかしんどいし、楽に行きたいんですよ･･････」
それを言うと、及川くんは岩泉くんと顔を見合わせて「ククッ」と笑った。
「国見か」
「それな」
「？ くにみ？ 誰かの名前ですか？」
首を傾げる。誰だそれは。そんな無気力でダウナーな人がいるのか？
「180cm超えのベビーフェイス。無気力な感じの１年」
「そんな子おるん。オモロ」
絢ちゃんがクスリと笑う。高身長ベビーフェイスと言えば、某サッカー漫画の白髪めんどくさがり男子しか思いつかないや。
「ま、そんなとこも可愛くていんじゃない？」
「お世辞あざまる水産」
曖昧に笑って返事をすれば、及川くんはにっこりと微笑んで言った。
「本音だよ？」
「･･････へ、･･････」
「うちのAにちょっかい出すな馬鹿野郎」
･･････勘違いしても、いいんだろうか･･････？
困らせるだけってわかってるけど。
＿＿やっぱり、好きです。
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作者名：めい | 作成日時：2024年1月23日 19時
