体育祭です。(嘘) ページ8
「えー、体育祭の競技決めまーす！ 拍手！」
「「「オエーイ！！」」」
なんで、みんなこんなに盛り上がれるのだろうか。
運動はもう終わっている。と言うよりかは「全く好きではない」と言う方がいいだろう(「好き」の感情は全部アタマ系に行ったんです多分)。体育祭でウェイウェイできるわけがない。
だがしかし、我が3年6組は大体の人がエクササイズ大好きー！ マン！ なのだ。
心の中で、断末魔の悲鳴が上がっている。
「競技は」
日に焼けた、見るからに野球部な学級委員が、競技名を黒板に連ねていく。
「はい、【騎馬戦】【バスケ】【バレー】【リレー】【借り物競走】の五つです！ 絶対ひとつは強制参加で、2競技まで参加可能ー」
「「「オエーイ！！」」」
おかしい。
なぜこんなに盛り上がれるんだ。何か秘密があるのか。
「どれにするー？」
「まじ迷うよな！」
「それな。あたしは楽なやつかなぁ」
ざわめく教室。
「絢ちゃんは、何にしたいですか？」
「私？ んー、バレー。２つは死ぬ」
「おぉー」
やっぱり、側から見る方がいいや。だって見る方が冷静でいられるし、しんどくないもん。
「Aは？」
「えっと、私は」
わからない。
本当に、本っっっっ当に、わからない。全て、やりたくない。
「残ったやつで、いいかなぁ、と」
「え、マジで？」
絢ちゃんが引いたように首をすくめる。
「多分、保健委員会のピンチヒッターやらされますしねぇ」
「うわ、そーやった。いっつも雑用させられてるもんな、A」
そして。
「じゃーA、リレーでいいかい？」
「･･････はい」
今更何を言っても、もう無駄だ。せめて、「これは嫌だ」ということは言っておけば。
私がやることになったのは。
一番盛り上がる、山場のリレーでした。
「ねえ岩ちゃん、俺いいこと思いついたんだけど」
「おう何だクソ川」
「いちいち悪口言わないとしんじゃうの？」
「さっさと言えや」
岩ちゃんはとても怖い。
まあ慣れっこだけどね。はは！
「俺さ、バレーやるけどさ。
･･････リレーだったらAちゃん俺にぞっこんじゃない？？」
「は？？」
そんな顔しないで。にこにこしようよ、モテないぞ。･･････あっごめんて岩ちゃん。
「あ」
俺は、黒板を見て重要なことに気づいてしまった。
「Aちゃんが、リレーで全校生徒の目にさらされる･･････！！」
「いい加減大丈夫か？ 頭ほんとに大丈夫か？」
「ひどい！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めい | 作成日時：2024年1月23日 19時
