「真実」です。 ページ7
「真実か挑戦か」。
勝敗のつくゲームをし、敗者は真実または挑戦を選ぶ。
真実を選んだなら、勝者の質問に対して本当のことを答えなければならない。
挑戦を選んだなら、勝者の命令に応えなければならない。
__地方や年代によってルールは違うだろうけれど。
そして。
「
暇な暇な昼休みの今、やっている。
岩泉くんに、絢ちゃんがニヤリ笑って問う。めっちゃ底意地悪く見えるのは、絢ちゃんが身を乗り出して岩泉くんに顔を近づけているからだろう。色気の悪魔か、と思うほど足が見える。
「しんじ、つ」
「へぇーえ」
絢ちゃんの顔が緩む。
「じゃあー、好きな人は、いるんかい?」
「・・・・・・!!」
あぁ。
私は、哀れみに息を吐く。
どんまいです、岩泉くん。
「へいへい岩ちゃん? 言っちゃいな??」
「るせぇ」
岩泉くんは重い重い息をぶっ放して、呟く。
「・・・・・・いる」
「「「!!」」」
衝撃だ。あの岩泉くんに。好きな人がいる。今週イチのびっくり案件だ。
絢ちゃんはにっこり笑って、「あっそ」と言った。興味ないやん。
「時に、Aちゃん」
「あ、はい」
及川くんが声をかけた。
私の目に映ったのは。
「真実か挑戦か、しよ?」
「え・・・・・・は、ぃ」
いやこれアカンって。絶対アカン。私はすごくすごくじゃんけんが弱い。これは及川くんしか利益にならないのでは。
はい、と返事をした以上、やらないといけないのだけど。
「最初はグー」
じゃんけんぽん!
はい。
私グー。
及川くんパー。
「真実か、挑戦か?」
「・・・・・・ちょ、挑戦」
あぁ。やばい。パシリで済んで欲しい。
「じゃーぁ、俺に、」
ごくり、と唾を飲み込んだ。
一段落した絢ちゃん&岩泉くんも、面白いものを見るように横から見ている。ボクシングかなんかの試合かっちゅうの。
「好きって言って?」
突如発せられたその言葉に、体が震える。やべぇ。パシリよりやべぇ。
「す、」
目を、見て。
そらすな。負けだぞ、そらせば。
「好きです」
自分の声が、無駄に頭の中に響く。
「ありがと」
にっこり、口角を上げる及川くん。こんな台詞、腐るほど聞いてきただろうに。
「嘘でも、嬉しい」
それは、そんな意味なんだろうね?
なぜ、そんなことを言うのだろう、彼は。
ああもう、嫌だ。
絢ちゃんの真似して、おでこがくっつくほど顔を近付ける。
「「真実」、です」
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作者名:めい | 作成日時:2024年1月23日 19時