○ ページ28
.
「 三田亜由美役！西野Aさん！！クランクアップでーす！！！ 」
その言葉に沢山のフラッシュが焚かれる。
お辞儀をしながら監督と握手すると「 足痛いのに頑張ってくれてありがとうね 」と言葉をかけられて、思わず目が潤んだ。
「 A〜〜！！！！ 」
花束を持ったふみちゃんが登場して、
思わず両手で手を振った。
プロポーズのように跪いて花束を渡すふみちゃんに、笑いながらそれを受け取った。
『 3ヶ月間ありがとうございました！ご迷惑をおかけしましたが、三田亜由美を演じられて嬉しかったです！凄く勉強になった3ヶ月でした！！
本当にありがとうございました！ 』
もう1度お辞儀をすると、大きな拍手が起こった。『 ありがとうございます、ありがとうございます 』と手を合わせながら言うと、ふみちゃんが抱きついてきたので、私も腕を回した。
二「 あ！きた！ 」
ふみちゃんが後ろを指差した。大きな花束を抱えながら指差した方を見ると、私は目を見開いた。
山「 Aちゃん！おめでとう〜 」
私服姿の山崎さんと吉沢さんだった。私が持ってるものと同じくらいの大きな花束を山崎さんは私に渡した。重っ…
なんか主役並みに祝われてない…？
二「 Aは頑張ったもん、この期間 」
山「 そうそう、俺の時も期待してるね 」
「 違うでしょ〜！！ 」と山崎さんの耳を掴むふみちゃんに、バレないようにゆーーっくりとその場を離れた。
一瞬だけ、山崎さんの隣にいた吉沢さんにふと目をやると、雑にぐるぐる巻かれたマフラーを外したらしくて鼻は少し真っ赤だった。
.
控え室に花束を立てて置くと、スマホで写真を撮った。ブログに載せよう、と
三田亜由美としてこの衣装を着るのも最後だし、写真でも撮っとこうかな…近くにあった全身鏡の前に立ち、1枚シャッターを切った。
それと同時に控え室の扉が開いた。
「 …西野さん 」
『 吉沢さん？ 』
はぁ、はぁ、と肩で息をしながら
こちらに近づいてくる。
なんでそんな息上がってるの？
ここまで走ってきたの？って
またあの時みたいに変に冷静だった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 387人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「女優」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊hana＊(プロフ) - いろんな曲の歌詞をうまく使われていて世界観に引き込まれました！ (2018年11月18日 12時) (
レス) id: 063790d3e6 (このIDを非表示/違反報告)
s!ma(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました、描写が独特・言い回しが独特でハマって抜け出せなくなりました。表現力に惚れました！のみこまれます。続きも楽しみにしています。 (2018年11月17日 20時) (レス) id: 457760168e (このIDを非表示/違反報告)
ルート(プロフ) - うわぁぁぁぁぁぁ！！！！途中読んでいて涙が出て来ました…良い意味で鳥肌が立ちました。続きを楽しみに待っています！！語彙力がなくて上手く気持ちを伝えることができないのが本当に残念です…笑 (2018年11月17日 7時) (レス) id: e7cea7fca8 (このIDを非表示/違反報告)
さかなちゃん(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました。続きを楽しみにしています。 (2018年11月16日 23時) (レス) id: 6abe047d30 (このIDを非表示/違反報告)
toshimitutetuya(プロフ) - 展開がハラハラして面白い！ (2018年11月16日 0時) (レス) id: e5d647a456 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空海
| 作成日時：2018年10月28日 15時
