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Yuto side
テスト期間だから、部活も休みで
初めてAと帰れるってなったのに、
Aは、歩きながら単語帳をガン見。
やっぱり、
勝負ね。
なんて言わなければよかった。
お昼も、休み時間も彼女の視線は
ずっと参考書で
参考書までに嫉妬しちゃう俺に
我ながら呆れる。
「ねえ、A。」
名前を呼んでも返事がない。
「ねえってば。」
キキーーーッッ
「危なっっっ」
彼女を引き寄せ腕の中へ。
『ふへ？』
やっと俺を見たA。
「今ひかれそうになってたんだよ？
勉強もいいけど、ちゃんと、
前向いて。」
この状況を理解したAは、
顔を真っ赤にして、
『守ってくれてありがとう』
うつむきながら、俺の腰に手まわしてくる。
そんなことされたらなんでも許しちゃうよ。
「その、えっと、
俺とせっかくいるんだから…、手…、はい」
俺が出した手に彼女が重ねてきて、
手を繋いで帰る。
「気をつけるんだよ？」
『過保護すぎ笑笑』
俺、絶対、テスト負けたくない。
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作者名：いお | 作成日時：2017年9月17日 21時
