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your said
「ごめんね、私まで送ってもらっちゃって」
酔っ払いの末澤誠也を送ったあと、小島くんは私のことも送ってくれるらしい。
小島「あの…佐野大丈夫っすか？」
「まぁ…大丈夫じゃない…？」
小島くんが心配するのも当たり前。
店にいる時から私のスマホがうるさい。
小島「愛されてます…ね。佐野にも、」
「佐野にも、？」
小島「…誠也くんにも」
あれは愛されてんじゃないの。
「気になっちゃうよね？」
「まぁそうっすね」って人1人分くらい開けて歩く小島くんは、普段のイメージとは違って常識人なんだな。
「末澤誠也とは、幼なじみなの」
はなしの入りにはそれ程驚きもせず「へー」って相槌をうつ小島くん。
私と末澤誠也が出会ったのは、私が赤ちゃんの時だと思う。お母さん同士が友達だったから、小学生になるまでは何処に行くのも一緒。お揃いの服なんか着た写真もあった。
けど小学生になればそれぞれコミュニティが出来る、歳も2つ末澤が上。いつの間にか会わなくなって、連絡先も知らない間柄だった。
私が中3、末澤が高2の時、友達に誘われて行った文化祭で、もう何年振りかに末澤を見た。体育館の舞台の上で歌う末澤は、そりゃ中学生にとったら初恋キラーよ。
「んで、好きなったんすか？」疑問を挟んできた小島くん。
「好きになったのは私じゃなくて、一緒に行った友達の方。笑」
そんなこともあって、学力もトントンだった私は末澤と同じ高校に通うことになるんだけど、あんまり関わりたくない私とは裏腹に、友達は末澤に猛アタック。
嫌でも顔を合わせるから、成り行きで連絡先くらいは知ってたけど。それ以上はなにも。
そんな高校1年の冬、私のお母さんが他界した。
末澤と疎遠の間に、うちは両親が離婚してたから私にはお母さんがたったひとりの家族だった。
お葬式の日、なぜか当たり前のように親族席に末澤はいて、泣くことも出来なかった私をずっと支えてくれてた。
それから、末澤が私のことを離さなくなったのは。
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作成日時：2024年4月23日 19時
