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「やばっ、吐く」
いきなり起きたと思ったら、すっごいスピードでトイレに走ってった。
あ…俺もやば。
ゴミ箱に突っ込んだままのティッシュを
ビニール袋にまとめて縛って、
リビングの方の大きいゴミ箱の奥につっこむ。
バレてへんけど、ちょっと罪悪感。
「おー、間に合った？」って俺が
トイレ覗くと、吐き終わったAちゃんが
トイレの床に座って落ち込んでた。
「大丈夫だった…？」
怖い…聞きたくない…絶対絶対余計なこと言ったよね？って青い顔してるAちゃんには
「うん。大丈夫。むしろ酔っ払いのAちゃんめっちゃ可愛かった。」
え？なんも覚えてないん？ショックやわー。って言っとく。
可愛かったのはほんまやし。
「好き好きって晶哉にずっとひっついて、ちゅーして、晶哉おらんならんといてって泣いてたんやで？」
可愛すぎて、おかずにしました。
とは流石に言わんけど。
Aちゃんの秘密に比べれば、俺の秘密なんて可愛いもんでしょ。
大倉くんから貰ったお酒の瓶ひっくり返して
「あーあほんまに空っぽや」ってガッカリしとる。
良いやつ貰ったんに、味も覚えてないんやて。
「俺も飲みたかったー」
晶哉弱いじゃん。って、もういつものAちゃんや。
ちょっとガッカリ。
この人自分が元気な時はツンツンしてんのやもん。
ﾋﾟｺﾝ
大倉くん美味い酒飲んで、話出来ましたか?
そおやん。
これそのための酒やん。
俺一滴も飲んでへんけど。
Aちゃんもその酒、今さっき全部
トイレに流してきたとこやけど。
せっかく先輩に作って貰ったチャンスやもん。
「あーあ、これ俺と向き合う為のお酒ちゃったん？」
全て、受け入れてみせます。
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作成日時：2024年4月23日 19時
