晶哉くんはペットじゃない。 (ページ2)

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朝起きて、Aちゃん起こさんように
そーっとベッドから出る。

昨日一緒に寝た時、机の上に資料とか散らばってたんに綺麗に片されてて、Aちゃんあれからまた仕事してたらしい。

きっと俺が今日早いのに、寝やへんから気ぃ使ってくれたんや…

ほんま、優しい。好き。

小島「ふ〜ん。それで朝からニヤニヤしてんのや」

一緒に寝れただけでそんな喜ぶかねぇ。って、何も知らん小島くんは言うけど、俺はめっちゃ喜ぶ。

だって、めっちゃ忙しいねんで？

俺は社会人とかしたことないから余計に、持ち帰ってきて仕事なんて普通なんか分からんし。

次々に新大阪駅にメンバーが集まってきて、最後にマネージャーの送迎組のリチャくんと正門くんが合流する。

正門「なんで今日佐野こっちじゃないん？」

俺はいつも、2人と一緒にマネージャーの車乗ることが多いけど、今日はAちゃんちから来たから迎えは頼まんかった。

「別に？」ってはぐらかすと、リチャくんが察したようにこっちを見てくる。

メンバーでも俺がAちゃんと付き合ってること知ってる人と知らん人がおって、知ってんのは小島くん、リチャくん、末澤くん。

知らんのは、まぁ…正門くんだけか。

新幹線に乗ってから、たまたま隣になった末澤くんが「お前、あんま調子乗りすぎんなよ？」って怖い顔してくる。

「はーい」って軽く返事して、イヤホンの音量をあげる。

末澤くんは俺らの関係をよく思ってない。

リチャくんも。

マネージャーにも「彼女と仲良いのはいいですけど、色々気をつけてくださいね」って言われてもうた。

別に調子乗ってない。
確かに、大人になってから恋愛したのはAちゃんがはじめてやから、テンション上がってるのかもしれへんけど、

アイドルって立場は弁えてるつもり。

Aちゃんだって、それはわかってくれてるから外にデートなんて滅多に行かへんし。

けど、みんなが言ってんのは、ファンの為とかアイドルやからとかそーゆう事じゃない。

Aちゃんが、正門くんの元カノやから。

メンバーの、それも先輩の元カノと付き合ってるのが、どうも納得いかないらしい。

仕方ないやん…俺、知らんかったやもん。