肆拾肆 ページ45
煉獄side
彼女を見送った後、俺は思わずため息が溢れた。
いくら彼女への気持ちに気がついたからと言って、困らせるわけにはいかない。
昨晩酷いことをしてしまったのに、さらに困惑させるなど有り得ないだろう。
普通に接すると決めた俺は、何事もなかったかのように振る舞った。
何より、お館様や仲間、家族のことを置いておけるなど考えられなかったのだ。
気持ちを切り替え、いつも頼りっぱなしになっている彼女の仕事を減らそうと 動き出した。
「今日は天気が良い!教わったせんたくきを使って、洗濯をしよう!」
自分の服や、台所、湯殿の洗濯を集めて機械の中に入れる。
少女のものは……いや、男の俺が洗うべきではないな。
そう思い、彼女の部屋の前を後にしようとした。
「…む?」
彼女の部屋は 完全に扉が閉まっておらず、中が少し見えてしまったのだ。
いつもなら女性の部屋を見てしまった!などと慌ててしまうが、この時ばかりは違かった。
そう、俺の視界に入ったのは【鬼滅の刃】と書かれた 文字。
「あれは、俺がいた世界のことが書かれている書物…」
以前彼女に鬼殺隊のその後について尋ねた時、哀しそうな表情をしていてそれ以上は踏み込めなかった。
だが、今目の前には知ることができる唯一の手段がある。
俺は 他のものには視線を向けないよう中に入り、見せてもらった続きを手に取る。
後で勝手に部屋に入ってしまったことを謝ろう。
「これを見れば、
どんなことがあっても、俺は挫けない!!
彼女の表情が脳裏を過ったが、意を決してそれを開いた。
_________途端、強烈な光が目の前を覆う。
あまりの強さに目を開けることさえ叶わない。
「一体なんなのだ…!!」
目の前が真っ白になり、周りが何も見えなくなった。
………………………………………
先程までの強い光が徐々に収まり、俺はやっと瞼を開く。
「なっ…!!お、おい!煉獄か!?」
視界の先にいたのは 見覚えのある顔、聞き慣れた声。
「宇随…」
何故か、俺はいつもの場所に戻っていたのだった。
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☆未来音★(プロフ) - 憐さん» 感想ありがとうございます。同じ煉獄さん好きとして、そのようなコメント嬉しいです*なかなか更新が難しいですが、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - けいさん» コメントありがとうございます。一言ですが、とても伝わってきます。もっとその気持ちが強くなるよう、がんばって更新していきますね。今後もよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - アリスさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。ゆっくりですががんばらせていただくので、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
憐 - とても素晴らしい夢小説を、ありがとうございます!煉獄さんは大好きなので、とても嬉しいです!どうかご無理をなさらず、更新を頑張ってください。応援しております! (2020年6月21日 18時) (レス) id: 56a87d2e69 (このIDを非表示/違反報告)
けい - うまく言葉に出来ないので一言。 好きです (2020年6月11日 12時) (レス) id: c43b0ed0fe (このIDを非表示/違反報告)
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