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弐拾玖 ページ30

彼の双眸は、炎の如く燃え上がっているように見える。








一歩、また一歩とゆっくり こちらに近づいてくる彼に、男の子たちは震え上がる。






…ただ、一人を除いて。






「あはは!魅舞乃さんにこんな猛犬がいるなんて、聞いてないなぁ…」


「…彼女から離れろ。一刻もはやく だ。」











他の男の子たちは、煉獄さんが目の前に集中しているところを狙ったが、勝てるはずもなく 軽く吹っ飛ばされる。






残るはただ一人、私を呼び出した張本人だけ。







私はその彼の後ろにいたため、煉獄さんの方に移動が出来ない。








「早く離れろ、と言ったんだ。
お前のその耳はただの飾りか?」









怒ってる、確実に煉獄さんは怒っていらっしゃる。





それなのに物怖じしない彼は、一体何者…







「いやですよ。彼女は俺がいただくので、貴方こそ帰っていただけませんか?」


「お前は自分が言っていることが 可笑しいと気がつかないのか。

…引かないのなら、力尽くで 奪い返すのみだ。」











ジリ…と地面にある小石が擦れる音がする。

それ以外は全て遮断されたかのように、彼らの周りには音が"ない"。





そして視線を合わせた途端、動き始めた二人。


私は怖くて 思わず目を瞑った。



























ドカンッ!と派手な音が最後に聞こえたかと思うと、静かになった私の周り。





お、終わった…?





怖くてまだ目が開けられない。










すると、ジャリ ジャリ…と誰かが近づいてくる。







いやだ、だれ…怖い、こわいっ…!!









「いやっっ!!」














パシッ…!と腕で跳ね除けると、それを優しく掴んだ誰か。

















「…大丈夫、俺だ。」







目をそっと開くと、そこには優しく笑う煉獄さんが。













「れ、れんごく さん…」








彼の顔を見た瞬間、一気に堰き止めていたものが溢れ出した。











「遅くなってすまなかった。
…帰ろう。家まで俺が連れて行く。」










煉獄さんは私の顔を見ないよう、静かに身体を持ち上げてくれた。





溢れて止めることができない私は、煉獄さんの固く分厚い胸板に顔を埋める。










「無理することはない。」





その言葉と一緒に頭撫でられれば、余計に止まらなくなってしまった。













「っ…れんごくさん、ありがとう ございます…」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 逆トリップ   
作品ジャンル:アニメ
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☆未来音★(プロフ) - 憐さん» 感想ありがとうございます。同じ煉獄さん好きとして、そのようなコメント嬉しいです*なかなか更新が難しいですが、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - けいさん» コメントありがとうございます。一言ですが、とても伝わってきます。もっとその気持ちが強くなるよう、がんばって更新していきますね。今後もよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - アリスさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。ゆっくりですががんばらせていただくので、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
- とても素晴らしい夢小説を、ありがとうございます!煉獄さんは大好きなので、とても嬉しいです!どうかご無理をなさらず、更新を頑張ってください。応援しております! (2020年6月21日 18時) (レス) id: 56a87d2e69 (このIDを非表示/違反報告)
けい - うまく言葉に出来ないので一言。        好きです        (2020年6月11日 12時) (レス) id: c43b0ed0fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:☆未来音★ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年4月22日 1時

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