肆拾壱 ページ42
煉獄side
危なかった。
あそこで少女が止めてくれなければ、俺はきっとあれ以上酷いことをしてしまったに違いない。
彼女も何故か謝ってくれたのだが、その理由は的外れなものだった。
どうやら俺の邪な気持ちは一切感じてないらしい。
こうなってしまったのは魅舞乃少女の言動のせいだ。
いや、人のせいにするのはよくないのだが、こればっかりは無関係とは言い難い。
ただでさえついこの間嫌な目にあったというのに、何故俺と同じ部屋に泊まることを了承してしまうのだ!!
俺は鬼殺隊だ。野宿など数え切れないほど経験がある。だから少女だけ泊まらせようとしたのに、それを遮って手続きをしてしまった。
正直もうここで、俺の理性は切れかけていたのだろう。
だから最後の理性を振り絞り、彼女の扉を開ける手を止めたのだ。
"君はいいのか"と確認もとって。
それなのに彼女は"問題ない"と言ったのだ。それに俺は完全に理性の糸が切れた。
ここからはもうほとんど無意識だった。本能の赴くままに行動していたのだ。
彼女が言った言葉に、酷く心を打たれた。あれはつまり、俺を男として認識していないと言っているのと同じだ。
俺は、こんなにも少女を……
この瞬間、自身にここまでの出来事が頭に流れる。そこで気がついた。俺は彼女を、魅舞乃Aに恋心を抱いているのだと。
_________そう、彼の奥深くに眠っていた紐は、完全に解かれた。
今まで少しずつ、でも確かに心の紐は緩み始めていた。それが ここで完全なものになってしまったのだ。
ただあの時は、彼女に意識させたい。その気持ちが強く、接吻痕をつけてしまった。
完全なる俺の独占欲だ。どうやら相当強いらしい。
こんなにも強く感じるなんて、思ってもいなかった。
正直、彼女に俺のものという印を付けられたことに 満足感を得ていた自分がいた。
勝手な行動だと後になればわかることだが、あの時ばかりは印に心を持っていかれてたのだ。
正気に戻った今でも、先ほどまで触れていた彼女の感触がまだ残っているため、全く寝付くことができない。
魅舞乃少女が湯浴みについて話しかけてくれたが、これ以上話しているとせっかく保った理性が無くなってしまう。
彼女には申し訳ないが、それには返答しなかった。
黙っているとべっどの軋む音がし、横になったのだと認識する。
明日はどんな顔をすればよいのだ…
眠れない瞼を無理やり閉めた。
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☆未来音★(プロフ) - 憐さん» 感想ありがとうございます。同じ煉獄さん好きとして、そのようなコメント嬉しいです*なかなか更新が難しいですが、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - けいさん» コメントありがとうございます。一言ですが、とても伝わってきます。もっとその気持ちが強くなるよう、がんばって更新していきますね。今後もよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - アリスさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。ゆっくりですががんばらせていただくので、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
憐 - とても素晴らしい夢小説を、ありがとうございます!煉獄さんは大好きなので、とても嬉しいです!どうかご無理をなさらず、更新を頑張ってください。応援しております! (2020年6月21日 18時) (レス) id: 56a87d2e69 (このIDを非表示/違反報告)
けい - うまく言葉に出来ないので一言。 好きです (2020年6月11日 12時) (レス) id: c43b0ed0fe (このIDを非表示/違反報告)
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