拾玖 ページ21
扉の開閉の音がしたあと、すぐにシャワーの音が聞こえる。
お風呂に入ってくれたことを 音で確認すると、無意識にため息が溢れた。
「煉獄さん、怖かったな…」
先程の彼は、鬼殺隊での姿を連想させた。
鬼と遭遇した時の様な 声と力。
「…あんな声、出せるんだ。」
自分の腕を見つめると、くっきりと残っている 煉獄さんの指のアト。
赤くなっていて、やはり痛かった。
「煉獄さんの前では 顔に出さない様にしてたけど、きっとバレてるよね…?」
痛かったことだけではない。怖かった。
今まで鬼がいる世界で暮らし、鬼を滅殺してきた人だ。
力は強いし、声は低かった。
普段の煉獄さんからは全くの想像も つかない。
「やっぱり私が見てきていたのは、煉獄さんの表面だけ…」
漫画を読んでいるからといっても、彼の全てを知っているわけではない。
描かれていない部分もたくさんある。
「自分は煉獄さんのこと、なんでも知ってるって 勘違いしてたなぁ…
全然わかってなかった。」
以前までは、彼のことを見てかっこいい、かわいい、生きる姿勢がすごい などと騒いでいただけだった。
_____でも今は違う。
画面上にしかいなかった人物が、目の前で動き 声を発しているのだ。
ただ単にファンでいるだけでは 済まなくなっている。
「ちゃんと知りたい。」
でも、私なんかかが彼の心に触れても いいのかな。
踏み込んでみたいけど、踏み込めない。
またあんな彼を見るのは 正直怖い。
「まだちゃんと話し始めて 二日しか経ってないもんね…」
うん!これから少しずつがんばろう!
ここまで考えをまとめた私は、再度包丁を動かし始めた。
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☆未来音★(プロフ) - 憐さん» 感想ありがとうございます。同じ煉獄さん好きとして、そのようなコメント嬉しいです*なかなか更新が難しいですが、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - けいさん» コメントありがとうございます。一言ですが、とても伝わってきます。もっとその気持ちが強くなるよう、がんばって更新していきますね。今後もよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
☆未来音★(プロフ) - アリスさん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。ゆっくりですががんばらせていただくので、これからもよろしくお願いします。 (2020年6月25日 19時) (レス) id: 6b00124018 (このIDを非表示/違反報告)
憐 - とても素晴らしい夢小説を、ありがとうございます!煉獄さんは大好きなので、とても嬉しいです!どうかご無理をなさらず、更新を頑張ってください。応援しております! (2020年6月21日 18時) (レス) id: 56a87d2e69 (このIDを非表示/違反報告)
けい - うまく言葉に出来ないので一言。 好きです (2020年6月11日 12時) (レス) id: c43b0ed0fe (このIDを非表示/違反報告)
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