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道の真ん中で合コンの最年少が言う。
(恋人)ちゃん、(恋人)ちゃんって、普段は呼ばれなれない自分の名前に戸惑う。
それにしても声が大きい。
ハスキーだけどよく通るハイトーンボイス。
「そんな大きな声出さないでよ。」
「じゃあ、言うこと聞いてくれる？」
きゅるんっと効果音がつきそうなくらいの
捨てられた小犬感を出して見つめられる。
「わかったわよ。なに食べたいの？」
これは新手の詐欺なの？
「肉。」
肉くらいならなんとか…。
でも、行ったら何か買わされるとか？
まさか、どこかに連れて行かれる？
「こんな時間から…。太るからいやなんだけど。」
「(恋人)ちゃん、細いやん。いやみ？」
「そんなことないよ。きみも太くないじゃん。肉…。焼き肉？」
「こんな時間から？」
「食べたらすぐに帰るから。
きみが言ったんでしょ？」
「和也、やで？」
「名字は？」
「大橋やけど、和也って呼んで。
せっかくの合コンやねんから。」
「大橋さん、」
「いややっっっ！！！和くん！！！」
えっ…周りの人も振り返ってるし。
「止めてよ…。こんなところで。大きな声出さないでよ。」
「俺だって、恥ずかしいもん。」
なに、それ。私の方が恥ずかしい。
「なんでそんなに構うのよ…。」
「だって、合コンで気に入った子おったら
普通じゃない？」
「見かけによらず肉食なのね。」
「こんな必死なん、(恋人)ちゃんだけやし。」
「なんで…？」
「とりあえず、顔がめっちゃかわいい！」
通り過ぎる人が私を見る。
「お願い…。恥ずかしいから止めて…。
とりあえず、お店入ろ。」
「やったー！連絡先教えてや！」
「声が大きい…。」
「デートの約束も！」
「わかったから…。大きい声で言わないで！」
なんでこんなに恥ずかしい目に遭わないといけないの……。
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作者名：R-りんご | 作成日時：2019年2月27日 8時
