近すぎて【衣更真緒】 (ページ40)

今日:11 hit、昨日:13 hit、合計:35,877 hit

36 ページ40

真緒side

『俺たち両思いだったんだな』

あの後、二人の時間が惜しくて

授業には戻らず屋上のベンチで俺たちは話す

｢だね。でも、凛月は気づいてたみたいだね

私たちでも分からなかったのになんでだろ？｣

そういえば凛月は結構前から知ってた

らしいな

確かになんでだ？

『なんでだろな…？

なぁ、今更だけど俺で良かったのか？』

｢じゃあ真緒は私で良かったの？｣

『お前じゃなきゃダメだ』

俺は考えるより先に口に出していた

｢私も。真緒じゃなきゃダメだよ…

パートナーは真緒だけ、他の誰かじゃダメ

だから私、真緒の隣で世界一幸せ！｣

Aは笑顔で微笑んだ

あーもう、お前ってやつは…！

言葉にできない愛しさが込み上げてくる

そして俺もAも笑顔になる

『あの…抱きしめても？』

｢ん？全然いいよ｣

Aはそう言って腕を広げた

そして俺は、思いっきり抱きしめた

普通なら緊張とかするはずだけど

こいつはしない

男として意識されてないってことは

多分、ないだろうけどな

幼なじみとしてはハグなんて

普通だったから、距離感バグっているだけで

変に緊張しないで、抱き合えるのも

俺たちらしくていいかもな

でも、キスしようとしたら顔を真っ赤にしたり

そんなところも可愛い

俺たちは普通じゃない

幼なじみ兼恋人だ＿＿＿

｢ふふ、どうしたの？

くすぐったいよ〜｣

なんて俺の髪をサラッと

掬いながらAは言う

『いや、俺も幸せ者だな〜

って思って？』

｢じゃあ、もっと幸せにしてあげる｣

『それは逆だろ〜？

俺が幸せにしてやる。これからもずっと』

｢え〜、私も真緒を幸せにしたい。

だから2人で幸せにし合おう？｣

『それもそうだなっ！』

俺たちは顔を合わせて笑い合った

俺もお前も幸せ者だ＿＿＿＿