ちょっと待てって！！なんで俺がテッペンじゃねぇんだ！？ (ページ7)

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5.「前世王様だったんだぜ？ナメんなよ？」ページ7

Aside

「次、お前の番な」

そう言って真一郎という男は嬉し泣きしている二人から俺の方へ向き直った。

「お前名前は？」

『・・・名前聞いたところでこの先関わんねぇだろ』

個人情報もあるしなるべく名前は教えたくねぇ。

「うっ。いや、そうかもしんねぇけどさ？ほら、礼もしたいし？な？」

頼む！！と言わんばかりの表情をする真一郎サンを見て俺は諦めた。

『・・・秋津A。』

「へぇ。Aか〜。なかなかカッケェじゃん？」

『・・・ンだよ』

面と向かってカッケェって言われたことねぇから調子狂うわ。

『で？話は？』

「あ、忘れるとこだった。助けてくれてありがとな！でも、あんまり不用意に割り込んだらお前も危ないからな？気をつけろよ！」

『おい、一番危なかったのアンタだろうが・・・』

「ぐっ・・・そ、それでも危ねぇモンは危ねぇからな！？」

真一郎サンは焦るような顔をした。

「とにかくだ、お礼したいから明後日また店に来てくんね？」

『いや、別にお礼してもらうほどの事ぁしてねぇし・・・』

「いやいや、A居なかったら俺死んでたからな！？マジで！！来てくれ！頼むわ！！」

手ぇ合わせて頼み込んでくる真一郎サンをみて俺は決めた。

『分かった。明後日だな？』

「！おう！来てくれんのか！？」

『そんなに頼み込まれたら断れねぇだろ。とりあえず、俺はもう帰るワ。』

「ありがとな！！明後日来いよ！！」

そして俺は店を出ようとした。

「・・・すげぇなあのAってやつ。」

「俺ワイヤーカッター持ってたのに涼しい顔して止められたし・・・」

そんな二人のガキの会話が聞こえて来る。

当たり前だろ。前世王様だったんだぜ？ナメんなよ？

心のなかでフッと笑って店を後にした。