ちょっと待てって！！なんで俺がテッペンじゃねぇんだ！？ (ページ5)

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3.「前世王様だったんだぜ？ナメんなよ？」ページ5

ダメだ。終わった。そう思ったときだった。

カァン！！！！！

『フ〜ン。盗み働く上に殺人ねェ・・・』

そこにはへたり込んだ一虎と、ぎょっとしたような表情の真一郎くんと、一虎を見下げる黒いリーゼントっぽい奴がいた。

『オイ、スカポンタヌキ。手に持ってるそれ、見せろ』

一虎はそいつにおずおずとワイヤーカッターを手渡した。

『・・・ワイヤーカッターか。鉄パイプ持っててよかったワ。テメェこれで頭狙ったろ？確実に死ぬぞ？んなことも分かんねぇか？』

「し、仕方ねぇだろ！？バレたら警察に捕まるかもしれねぇんだｚ『じゃあ』」

『バレなかったら何してもいいってんのか？違ぇだろ？テメェの親父とおふくろも悲しむぜ？』

「！」

一虎が目を見開いた。

一虎の親の話は俺も知ってるからなるべく触れないようにしてたってのにコイツは・・・

「・・・悲しむ訳ねーよ。親父は離婚していねぇし、おふくろは俺のことなんて・・・」

『あーあーそういうしみったれた話いらねぇよ。』

「は？」

『そういう話して何になんだよ？同情買って罪軽くしてもらおうってか？まぁ俺は全然同情出来ねぇけどな。』

「っテメェ！！」「やめろよ！一虎！！」

顔を歪めてそいつに飛びかかりそうな一虎を抑える。

そいつは驚く様子もなく、冷ややかな目で俺たちを見ていた。

『十分贅沢じゃねぇか。俺自分の親の顔見たことねぇし。』

「・・・え？」

一虎の力が緩んだ。

『親がどうこうってそういうコト考えられんの、親がいるやつだけだ。それだけで贅沢だろうが。』

俺たちは何も言えず、そこにはただ沈黙が立ち込めていた。