Destiny (ページ5)

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少年R&D ページ5

ん〜気分転換なぁ…。

あ。

『大貴、着替えて散歩行こっか？』

大貴「え…なんで」

『気分転換になるよ？ほら、日光に当たるのも大事だし。』

日光に当たれば身体も無意識のうちに元気になるっていうのはよく言われること。
気分も晴れるし、体力もつく。

一石三鳥！

涼介「散歩行くの？ｹﾞﾎｯ…俺も行きたい！」

あれ、さっきまで侑李のとこにいたのに。
てか、行きたいのか。
咳出てるしなぁ。

『うーん…涼介も行くなら午後からにしよっか。咳も多分午前中のうちに治まると思うしね。』

涼介「はぁい。」

今すぐ行きたかったのか少し不満そうに返事をした。

それからは涼介がしたいと言っていた2人で協力するゲームや何人かで対戦するパズルゲームは侑李と裕翔とわいわいプレイした。

慧は身体が少し怠かったみたいで部屋で眠ったそうだ。

大貴は部屋で多分映画を観てる。
部屋に入るといつも映画のDVDが綺麗に棚に並べてある。
何か欲しいものある？って聞けばDVDって言われるからいつも好きなのを選ばせている。

いつか一緒に映画見に行けるといいなとは思うけどそのためにはトラウマを把握して改善しないといけない。

心的外傷後ストレス障害…簡単に言うとPTSDの改善は簡単じゃない。
涼介の件でそれはよく分かっている。
それに鬱病を併発してる。

常に鬱状態じゃないからまだマシだけど、今大貴は鬱になりかけの状態。

鬱になる前に何とかしないといけない。

散歩がどれだけの気休めになるかは分からない。

PTSDと鬱に誰にでも効く治療法はない。
患者が違えば治療法も違う。

精神科に配属されてた時もあるけどPTSDからの鬱病併発患者が1番対応が難しかった。

”メモリー”にはその症状を抱えた少年が2人…
難しいなんて表現では生ぬるい。

涼介も落ち着いてる時は随分人懐っこく穏やかだけど、フラッシュバックでもすれば精神状態が暫くの間不安定になる。

人を拒絶し続ける時もあれば人がずっと横にいないと不安で泣き続ける時もある。

とてもじゃないけど1人では対応しきれない。

愚痴を零す訳では無いけどずっと様子を見てる子供がそんな状態にもなると、かなりこっちの精神面にもくるものがある。

でも、それをあの子達に見せること出来ない。
職員として、医者として、親代わりとして。