いいよ、お望み通り、オバブロしてやる。《ツイステ》

オバブロするまで11 ページ11

ラギーside



さっきからレオナさんの機嫌が悪い。


いつもより、ずっと。



レオナ「ﾁｯ､今話しかけんな。気が悪い。」




あのレオナさんが、少し泣きそうな顔をしてああいった。



＿＿＿＿＿＿

＿＿＿




あ、Aさん！



『あ、A…「もう嫌……」え？』





A、どうしたんスか？



俺には全く分からなくて、




『あ、Aさん、またサボりっスか？』





こうやって話しかけるしかなかった。



A「へへ、サボり、かなぁ、」




そう言って弱々しく笑うAさんを初めて見たし、しかもこっちを見て話してくれない。


それが嫌で、



『……なんでこっち見て話してくれないんスか？』




A「なんか見たくない気分、だから？」




後ろを向いてそう言うAさんの目元は、赤く腫れていた。





それが気に食わなくて、




ｸﾞｲｯ





A「え？」




ﾄﾝ




『何かあったなら、話して下さいよ。』






俺は抱きしめてそう言った。




A「……うん。ありがとう、ラギーたん。」



『雰囲気ぶち壊し。笑』




A「へへ。じゃ、私はサボるよ。」





あぁ、あの顔だ。





あの、綺麗に儚く、だけど元気な笑い方。





俺は、あの笑顔を見たい。









『はは、今さら、気付いてしまったっすよ、Aさん。』






その言葉は、誰にも聞こえることなく、静かに消えた。

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