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ここに来て3日が経った。
近くに人の気配がする。鬼殺隊だ。

母が相手をしているらしいが、累より弱い。直ぐに殺されるだろう。

それより、様子を見に行かなければ。報告するための資料が必要だ。


「累、状況は?」

「殺鬼様…母さんが相手してる。僕らのこと護ってくれてる。」


溜息を押し殺して移動した。







「解放される…」

鬼殺隊に身体を委ねる母役が居た。だけど


そんなの許すはずがない。



持っていた三味線で少年の攻撃を防ぐ。
後ろから絶望の様な嗚咽が聞こえてくる。私はゆっくり後ろに振り返った。


「……なぜ、自ら殺されに行った。」

「違います!!違うんです!ただ、一瞬の迷いで…!」


ボロボロと涙を流し訴えてくる。
長い髪の毛を掴んで言った。


「良い?鬼に穏やかな死など無いの。」

「ごめんなさい…ごめんなさい…」


そう言ってた母役の額に私は刀をさした。
目の前で暴れ狂う鬼。涙をまき散らし、嗚咽を流す。


「ぁああ!!だずげ、でぇ、」


刀に無残様の血を塗ったものを刺した。普通の鬼には多い量。急に体に入れると人体が破壊される。


「言う事を聞かないからこうなる…無残様より私は優しいから良かったな??」


少年は驚いた顔をしてこっちを向いた。
恐怖、憎悪、色々な感情がこもった瞳を私にむける。


「貴方は…人間でしょう?」

「嗚呼、私は人間だ。人を喰らわぬ。」

「ならどうして!!…どうして、鬼舞辻無惨の匂いがするんだ…っ!!」


怒りを込めた声で少年は叫ぶ。五月蝿いだけのその声。とても好ましい。
私はそんな少年を見て口を三日月の様に変え、嗤った。


「申し遅れました。私、鬼舞辻殺鬼と申します。以後お見知り置きを」

「鬼舞辻…?!」

「…」

私が笑いかけると少年は開いた口が塞がらないようだった。

少年は私に質問攻めをする。人が鬼と暮らす理由が分からぬようで、信じられまいと聴いてくる。


「では…私はここで失礼致します」

「待て!!」

その少年の声が届く頃には、
もう私は居なかった。

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作者名: | 作成日時:2019年10月9日 5時

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