鳳の蝶は落ちた

蝶と… ページ25

花。




カナヲ視点
今日も普通に言われた通りに
何も考えずに鬼を狩るだけだったはず…

狩っている時にたまたま見かけた

月明かりに照らされている姿

綺麗な黒髪

髪は短く、少し癖のある髪だけれど

似ていると思った。あの人に
笑顔が絶えないあの人に

もう会えないあの人に

咄嗟にコインを投げてから決断し
話しかけた

『あっ……あの…胡蝶…カナエさん…ですか？』

違うはずなのについ聞いてしまう

「ぉあ！私は、私の名前は神塚A。ですよ？」

『あっ……すみませ

「もしかして胡蝶さんの継子のカナヲちゃん？」

私を知っている人…
頷くと喜んだような顔をして
彼女は質問などをしてきた

私ね柱になったのその時あった
胡蝶さんに似てるね！

何の呼吸を使うの？

胡蝶さんって凄い人ね！

どうして継子になったの？

そのほとんどが師範に関する話だった

全く知らないのかと思ったら
私の知らない事も知っているように見える
私は焦ってほとんど答えられなかったけど

でも、素振りや雰囲気がやっぱり似ていた
だからいつもより会話が弾んだ気がした
違う人。あの人と赤の他人のはずなのに
心が綺麗なのかな…カナエさんみたいに


しばらくしてから
Aさんの悪い噂がたっていた
私はこのとき
コインを投げないで決めれた
Aさんはカナエさん達のように
私に話しかけてくれたから

私は＿＿＿＿＿＿＿＿


＊*

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