スキスキあの子second！【sxpx】【黄】

1日目 午後 ページ8

『いいねぇ、眼福だねぇ……』




ひ「アホなこと言ってないで、掃除しなさい。」





体重をかけていたデッキブラシを急に取り上げられ、バランスを崩し転びかける。



ここ、お風呂場なんだから危ないじゃん！！！



ド正論のひなの言葉に、ムスッとしつつ、視線をるぅとくんから仕方なく外す。





ひ「あんた、ストーカー気質よね。」




『違うもん！！！』




「あはは、仲良いね貴方たち。」





それ、さとみにも言われたし！


なんなん、この従兄妹。整った顔と頭の良さだけじゃなくて、考え方まで似てんのかよ。



そんな私たちを、お風呂掃除の指導役のお姉さんが、爽やかに笑った。


あ、言ってなかったけど、今ホテルの大浴場のお掃除中です。

初日だし、接客よりは裏方の仕事の方がいいんじゃないか、っていう葉月さんのお心遣いで。



ここのホテルのこだわりポイントの1つである、海の見える大浴場はとにかく広い。

そのため、男女で分けると時間がかかるので、男湯女湯関係なく、浴場担当のスタッフさん総出で掃除するらしい。




つ！ま！り！


少し目を凝らせば、3つ先の浴槽(?)で汗を輝かせながら、掃除するるぅとくん(推し)が見れるんですよ！！！



それを見ての、冒頭のセリフでした。



あ〜、腕まくりとか本当に神。

暑いからか、シャツも第1ボタンを外しているので、色気溢れる首元がしっかりと晒されている。



喉仏ぇ……血管ン”ン”……



思わず、ファンサうちわ(お手製)を振りかけたもんね。

ころんからはドン引きされて、ひなからは没収されたけど。





『にしてもここの大浴場、本当に大きいですね。』





改めて、周りを見回してみると、教室3つ分はありそうな空間に、7種類の浴槽が並んでいる。


さらに外には露天風呂がもう2〜3種類、サウナが1つ、岩盤浴なんかもあるらしい。


シャワーに関しては、ちゃんと数えてはいないものの、20個はありそう。





「社長こだわりポイントの1つだからね〜

有名な旅行雑誌にも、たまに特集されてるらしいよ。」





なるほど、これが葉月リゾートクオリティか。納得。





「特にサウナは、最近需要が高まってるからね。

来年には、もう1つ新しいの作るらしいよ。」





あ〜、“ととのう”ってやつだっけ。


汗をかくと体にいいとか何とか。



あ、そういえば。

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