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青ざめたり、赤くなったり忙しい私を見てるぅとくんは吹き出した。
る「んふふっはははっ」
え、笑い方爽やか過ぎて、文字に起こせないんだけど。
子鳥のさえずりとか、木々のざわめきレベルに癒される。
声からマイナスイオン。
笑いすぎて涙の滲んだ目尻を拭い、るぅとくんは私の方を向く。
る「この中でAちゃんどのデザインが好きですか?」
『え、これ……?』
焦りやら怒りやら嫉妬やらで忙しく、ほぼ放心状態の私は、3秒後にはどれを選んだのか忘れそうなぐらい適当に、ん〜これかわいーみたいなノリで櫛を指さす。
そしてその2秒後に、どの櫛を選んだか忘れた代わりに、とんでもない事に気づく。
私、もしかして推しの恋のお手伝いしちゃってる!??
え、だって流石に自分でつける用じゃないもんね?
キュェ、と絞められた魚のような声を出して、ウキウキとした足取りでレジから戻ってくるるぅとくんを見つめる。
あ、もう買ってきたんだ。というか丁寧にラッピングまでして……
まったく!るぅとくんからプレゼントもらえるなんて、どこの女よ!!
る「はい、Aちゃん。」
『ホケェ??』
まさかの、私でした。
世界一アホな顔選手権があったら、優勝できるんじゃないかってレベルにアホな顔をした私に、るぅとくんはラッピングされた箱を差し出している。
『え、なんで……』
る「これつけて、今度一緒に河之市市行きませんか?」
『いやいやいやいや』
ずいっと箱を差し出してくるるぅとくんから、思わず後ずさる。
推しから距離取るとか、普段の私からしたら死罪だけど、今はそれどころじゃねぇ。
る「嫌でしたか……」
『い”や”じゃ”な”い”よ”ぉ”!』
言葉の綾だから、るぅとくん!だからそんな悲しそうな顔しないでぇ!
る「なら、受け取ってくれますよね?」
『ハイ』
私の否定の言葉を聞き、さっきの悲しそうな顔とは打って代わり、にこやかな表情を浮かべるるぅとくん。
もしかして私、手のひらで転がされてる?
それはそれで、めっちゃ嬉しいんだけど。
る「ふふ、約束ですよ?」
まぁ、推しの笑顔が見れたんだしいいか。(チョロい)
私は櫛の入った箱を両手でぎゅっと抱きしめ、大人しく頷いた。
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たこ天(プロフ) - 泡糖さん» コメント、ありがとうございます!ずっと探していただいていたなんて……(⑉・ ・⑉)今後も変わらず、スキスキの行き過ぎた夢主ちゃんをお届けできるよう、更新頑張っていきますね😊 (2022年7月11日 23時) (レス) id: 033e158aaf (このIDを非表示/違反報告)
たこ天(プロフ) - 冬さん» コメント、ありがとうございます!もうすぐ続編ですが、そちらもなるべくこのペースを維持して投稿出来たらと思っているので、楽しみにしていてください😌✨ (2022年7月11日 23時) (レス) id: 033e158aaf (このIDを非表示/違反報告)
泡糖(プロフ) - この作品、過去に見つけてずっと探していました!久しぶりに見ても いい意味で変わってなくて好きです!どうして高評価が一つしか押せないんだ…!尊いボタンみたいなものが欲しかった!無理のないように更新頑張ってください! (2022年7月11日 22時) (レス) @page4 id: eaad00c70c (このIDを非表示/違反報告)
冬(プロフ) - いつも、この作品の更新楽しみに毎日過ごしています!これからも更新頑張ってください。応援しています! (2022年7月11日 21時) (レス) id: 1fb06db6d9 (このIDを非表示/違反報告)
たこ天(プロフ) - りまおさん» こちらでもコメントしていただき、ありがとうございます!続編も更新頑張りますね💪 (2022年5月15日 8時) (レス) id: 033e158aaf (このIDを非表示/違反報告)
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