検索窓
今日:2 hit、昨日:24 hit、合計:11,416 hit

ページ32

る「それじゃあ、行きましょうか。」





そう言い、るぅとくんは迷いなく廊下を歩き、エレベーターに乗り、ロビーを出た。




ん?どこへゆくの??となりつつも、まぁるぅとくんが変な所連れてくことはないか。と思考を放棄する。


ただでさえ、体調が悪いんだ。これ以上頭使ったら悪化するわ。



身長差は15cm近くあるはずのに、るぅとくんが歩幅を合わせてくれるからか、そんなに早く感じない。

そのさり気ない気遣い、ボーテ100点。惚れるわ。あ、もう惚れてた。



2人分の足音が、ザッザッと軽快な音に変わる。





『ここって……』





金網フェンスにかかる南京錠を開け、るぅとくんが振り返る。



るぅとくんの髪1本1本が月のように輝き、潮風でふわっと広がった。


それを見て、今日は新月だったことを思い出す。

どうりで、いつもより暗いはずだ。





る「そう、ホテルのプライベートビーチです。

ちゃんと葉月さんには許可もらってるから、安心してね。」




『わぁ、すっごい計画性。』





カチャリ、と年季の入った鍵を掲げて、天使の微笑みを浮かべないで。

私、天国行っちゃうから。あ、もしかしてお迎えかな??



さぁ、どうぞ。と私の手を取り、空いている手で金網の扉を開けるるぅとくんは、英国紳士かと思うレベルにスマートでかっこいい。


エスコートが手馴れてる。これだけで論文書けそう。


2学期に、「自分の好きなもの紹介」の作文があるらしいから、るぅとくん書こうかな。





『わぁ!』





るぅとくんを見つめていた視線を奥にやると、そこには、濃紺の夜空を鏡のように反射させる海が広がっていた。


月がないからか、星は普段よりも明るく、綺麗に見える。
テレビでしか見た事ないような、満天の星空だ。



靴に砂が入ることも気にせず、海の方に駆け出す。


潮の香りが鼻をかすめ、心地よい波打つ音が耳をくすぐる。


るぅとくんははしゃぐ私を見つめ、扉を閉めてからゆっくりとした足取りで私を追いかける。





る「よかったら、夜の海の散歩しない?」




『する!』





靴をポイポイッと脱ぎ、手で持つ。

流石に砂の入った靴で歩くのは、流石の私でも気が引ける。





る「喜んでもらえましたか?」




『うん、とっても!
私、星空見るのめっちゃ好きなの!


家の近くに人気のない公園があってね?たまーにそこで、星空見たりするの。

流石にここまで綺麗じゃないけど、見てると嫌なこととかも全部消えてく気がして。』

▼→←6日目 深夜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
設定タグ:stxxx , , 両片想い
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

たこ天(プロフ) - 泡糖さん» コメント、ありがとうございます!ずっと探していただいていたなんて……(⑉・ ・⑉)今後も変わらず、スキスキの行き過ぎた夢主ちゃんをお届けできるよう、更新頑張っていきますね😊 (2022年7月11日 23時) (レス) id: 033e158aaf (このIDを非表示/違反報告)
たこ天(プロフ) - 冬さん» コメント、ありがとうございます!もうすぐ続編ですが、そちらもなるべくこのペースを維持して投稿出来たらと思っているので、楽しみにしていてください😌✨ (2022年7月11日 23時) (レス) id: 033e158aaf (このIDを非表示/違反報告)
泡糖(プロフ) - この作品、過去に見つけてずっと探していました!久しぶりに見ても いい意味で変わってなくて好きです!どうして高評価が一つしか押せないんだ…!尊いボタンみたいなものが欲しかった!無理のないように更新頑張ってください! (2022年7月11日 22時) (レス) @page4 id: eaad00c70c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いつも、この作品の更新楽しみに毎日過ごしています!これからも更新頑張ってください。応援しています! (2022年7月11日 21時) (レス) id: 1fb06db6d9 (このIDを非表示/違反報告)
たこ天(プロフ) - りまおさん» こちらでもコメントしていただき、ありがとうございます!続編も更新頑張りますね💪 (2022年5月15日 8時) (レス) id: 033e158aaf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たこ天 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年5月14日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。