紅 ページ47
｢バレンタインって自主的にせがむものでは無いだろ、はい｣
俺は袋に入ったマシュマロを渡した
紅｢意味まで知ってるの？…わざわざ調べた？可愛い｣
｢…うっざ｣
紅｢もっともっと｣
くそっ、こいつと話していると相手の思う壺だ
俺は無視し、寝っ転がった
こたつの中は暖かく、下半身を優しく包む
かじかんだ足にはもってこいだ
紅｢猫みたい｣
｢あ゛？黙れ｣
紅｢ふふ…｣
ああこいつ、暴言で喜ぶとか頭おかしいだろ
紅に背を向け、やっと寝れると思ったら、足をツーっとなぞられた
｢っ…あ…ん…｣
は？
俺は足で思いっきり紅を蹴った
｢次やったら足もぐぞ｣
紅｢はいはい｣
本当に分かっているのか？
俺はまた紅に背を向け、寝始める
これは今では感謝するべき感覚だ
前世で柱が補充されていない時、夜も朝も起きていた日が多かった
最大で5徹目だった
あの時の合同任務が宇隨とで良かった
ーーー
ここら辺で鬼が出ると聞き、来てみたはいいものの、どうやら宇隨がいるらしい
連携を取って早めに終わらせよう
流石に今日の任務が終わったら寝たい
川の水を顔に浴び、目を覚まさせる
手ぬぐいで顔を吹き、辺りを見ると見慣れた白髪の人物を見つけた
｢宇隨、行くぞ｣
宇｢ってお前、地味に徹夜なんてしてんじゃねぇよ｣
｢任務だ、仕方ない｣
宇｢ぶっ倒れて鬼に食われるかもしれねぇぞ？｣
｢そんなヘマはしない｣
そう言い残し、俺は前に進んだ
ーーー
鴉｢ココの山の鬼！全滅！ヨクヤッタ！A｣
｢あ…ああ｣
宇｢マジで寝なかった…な…｣
俺は膝から崩れ落ち、頭を打ちながら地面にうつ伏せになった
宇｢轟針の鴉〜、家まで案内してくれ〜｣
鴉｢アイヨ！｣
ーーー
後から宇隨に聞いた話だ、今でも感謝している
そんな思い出に浸りながら、眠りにつく
その瞬間、背筋をゆっくり撫でられた
｢…っ…ん、あっ…！って…触るな…っいや…だ…｣
こそばゆさと快楽に耐えながら絨毯を握る
何とか回避しようと、背中を地面に向ける
天井が見え、紅の指が無くなったことに安堵しながら肩で呼吸をする
紅｢うわエッロ…｣
｢〜〜っ！このクソ野郎！｣
ーーー
くそっ…クソ野郎…
一生許さねぇ
紅｢ねぇもう許してよ｣
｢黙れ、一生許す気は無い｣
そんな会話をずっと繰り返しながら、卒業式の準備を進めた
ーーー
宇｢うっわ、お前顔酷いぞ｣
｢うぅ…っ…見るな…｣
鼻水をすすり、涙を流す
今日は桜の散る晴天の中、卒業式だ
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きゅうり(プロフ) - ゆうきさんコメント有難うございます！まさか前作から見ていた方が完結まで読んで下さったのですか！とても嬉しいです！これからも頑張ります！ι(｀･-･´)/ (2020年6月11日 18時) (
レス) id: 72f03521a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 完結おめでとうございます、 前作から愛読していた為完結して涙が出てきちゃいました、w 前作の連載開始した頃はまだ獪岳の小説が全然なかったのですごく嬉しかった思い出があります。最高の作品をありがとうございました。 これからも頑張ってください！ (2020年6月9日 18時) (レス) id: 869cc0f237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カスパロフ | 作成日時：2020年5月4日 21時
