【ヒロアカ】普通科の問題児Ⅱ【男主】 (ページ16)

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昨日のお話3 ページ16

中学最後の年。
秋ごろ、雄英高校に行くことがクラスメイトにばれて、事件が起こった。

「おい！スパイがいるぞ!こいつ雄英行くって！」

1人の男子が、進路希望調書を盗った。

「馬鹿か？読めよ。ヒーロー科って書いてないだろ。」
「お前が雄英の門をくぐだけでもダメなんだよ。」
「お前がきめることじゃない。」
「いいや全員が思ってる事さ。」
「てめぇ…」

少し睨んだだけだった。
それなのに、先生が時間通りにやってくると、ソイツは先生に泣きついた。

「先生！湯上くんに腕を折られましたぁ!」

「は？」
「お前ふざけてんのか！」

呆ける僕の代わりに、足立が怒鳴り散らした。

「湯上、お前はやっぱり、」
「やっぱりってなんだくそ教師！彰人は何もしてねぇぞ!!」

「ちょっと足立…」

事がややこしくなる前に、僕は降伏の構えをした。
膝をついて、腕を頭の後ろに置き、目を瞑った。

「何もしてないです。なんなら目を隠してくれて構わない。そのまま警察に突き出されても無罪を主張します。そして、骨折したというなら今すぐ病院で受診して診断書をもらってください。僕が完全に無罪だった場合、先生と貴方に名誉棄損の損害賠償を請求します。」

「う、腕を折れてようが折れてなかろうがお前が悪いのは明白だろ！」

男子生徒は叫んだ。

「お前なんかがヒーローできてたら、敵(ｳﾞｨﾗﾝ)なんていねぇんだよ!」

段々、腹が立ってくる叫び声だった。

「善人(ヒーロー)ぶってんなよ!悪者(ヴィラン)のくせに‼‼」

ﾋﾟﾘｯ

目を閉じたままでも、光が瞬いた。

「お望み通り殺してやるよ。」
喉が震えない程度の小声だった。
体制を変えずに、男子生徒を見ようと顔を上げた。

足立はそれを聞いていたのか、それともただの感だったのか。

男子生徒の前に、足立は立ちふさがった。

僕の瞳は完全にその姿の中心を見つめてしまった。

クラス中を埋め尽くす悲鳴。
床に広がっていく血液。
倒れる唯一の友。

《俺がなんだって治してやるからな！》

《だから”個性”なんてって言うな。彰人の”個性”だって、使われるためにあるんだ。》

「・・・治すお前が……壊れてどうすんだよ…・・・」

沢山の人が混同した。

足立はすぐに運ばれた。

警察が大勢やってきて、乱暴に僕を取り押さえた。

布で顔を覆われ、隙も与えず腕を拘束され、身もだえすら許されないまま連行された