【ヒロアカ】普通科の問題児Ⅱ【男主】 (ページ15)

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昨日のお話2 ページ15

小学校高学年になると転校してきた子と友達になった。

「物を壊したら俺に言え！なんでもなおしてやる！」

彼は手のひらで触れたモノを直す個性だと言った。

中学に上がってからもその関係は続き、よく彼といた。

それが足立だ。

帰るのが億劫だった。

玄関で溢が出迎えて目隠しをされる。

「あいつはまだいるのか。そろそろ自立させていいだろう。」
「やめてくださいよお父さん。まだ中学生ですから。まだあの子はうちの子ですから。そういう世間の目があるんですから。」
「高校はいいだろう。どっか地方の職場にでも、」
「いいえ。最近は高校まではしっかり面倒を見るのが立派な親なんです。せめて寮だったり、いっそ一人で暮らしてもらうとか。」

追い出したい父。
世間体を気にする母。

目を塞いでるとなんだって聞こえてきた。

「溢、最近制服着てないんだね。」
「学校は行ってませんよ。」
「・・・なんで？」
「私は彰人様の付き人なので。」

ふと気になってしまった。質問をするべきではなかった。

元々目隠しをされても毎日話をした。
学校であったことを楽しく語った。

けれど、

「僕のせいで、辞めさせられたの？」
「・・・もう遅いので寝ましょう。」

見えぬ表情と、暗い声音が、僕をどんどん追いやった。

僕は、彼に甘えてはいけないのだと。

それから、彼との間には壁が出来てしまった。

足立にはなんだって相談できた。

付き人が自分のせいで高校をやめさせられたこと。

努力を惜しまないエンデヴァーに憧れたこと。

「僕の”個性”なんて、誰かを救うこともできないよな…」

「彰人は良い奴だよ。そうやって気に掛けることが出来る。だから”個性”なんてって言うな。彰人の”個性”だって、使われるためにあるんだ。」

彼の言葉がとても嬉しかった。