【ヒロアカ】普通科の問題児Ⅱ【男主】 (ページ13)

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過去ページ13

「帰っていいよ。」
「はぁ？」

間抜けな声が、僕の代わりに腕の人が言った。

「おいおい。このまま出したらここの場所まで、」

「だから、彰人。帰りたいなら帰っていいよ。帰れるなら。」

彼はポケットに腕を仕舞っている。
そこに何を隠しているかわからない。素直に帰すわけがない。

目の前にはいつでも攻撃できる幼馴染。その後ろに腕の人。
カウンターに霧の人。

・・・どうしたものか。

「帰んないの？」

もしかしたら、足立はポケットに何も入れておらず、背を向けた瞬間に攻撃するのではないか…？
くそ、僕の上に乗っていた時に違和感はあったか…思い出せない。
足立は体術くらいなら心得ていたはずだ。
むしろ今はそれを考えているどころでもなく。

冷や汗が、背筋を伝うのがわかった。

僕は今、未知に恐怖している。

怖い。恐い。強い

「彰人。時間切れ。」

とっさに後方に下がる。

足立の腕が顔面にやってきたのだ。
とっさに避けて、次の一手を読む。
が、
一度横振りに殴りかかってきた後、何もない。

相変わらず読みずらい手を使う…

「あ～ぁ避けられた…」

「おい。あんまり時間かけるなよ。」

「ごめんて。」

腕の人が立ち上がる。
あぁやばい。

でも

「いいよ…どっちか殺してでも逃げ延びてやる…」
「おぉ怖い。」

集中して、腕の人の腕を狙った。

ｯﾊﾟｧﾝ!

歪み捻じれたのは足立の腕。

とっさに、僕の視線の先に腕をかざしたんだ…

あの時と、同じ…

「あ、だち…ごめ…」

思わず涙がこぼれた。

その隙に足立は僕の腹を殴って、蹴り飛ばして、

吹っ飛んだ先にいた腕の人に首元をボロボロにされた。

「っ…！」

もう駄目だと思った。

最後の力を振り絞って、僕は駆けだした。

ソファで目覚めた部屋とは違う扉。

戸の上に入店ベルがあったからあれが出入り口だ。きっと、

そう信じて飛び出したのに、人にぶつかった。

「ぁ…！」

「荼毘!そいつの右目を焼け!!!」

「右って、」

「向かって左！」

「はいはい。」

胸倉を掴まれて、抵抗は無駄で、
青い光が、視界を覆った。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ！！」

「よぉし!これで生まれ変われるよ！彰人！」

涙すらも、

燃えてしまう程の痛みに、

足立はそう笑いかけた。