【ヒロアカ】普通科の問題児Ⅱ【男主】 (ページ12)

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先生ページ12

「ゆ、USJ襲撃事件の…！」

後ずさる僕の腕をしっかり握る足立は口角上げた。

「おい…話が違うぞ…」
「ちょっと手違いがあったんだって。先生は？？」
「丁度今繋がってる。」
「ラッキー！」

「ちょ、先生って？なんでこの人たちが!」
「座って。」

カウンターの椅子を指し示す彼の威圧に勝てない。

おとなしく、腕の人から少し開けて座る。

モニターから流れる声に、とっさに顔を上げてしまった。

「せ、先生って…」
「そう。覚えてる？」

『久しぶりだね。湯上くん。覚えているかな？』

「・・・わ、忘れるはずない…あなたが、”個性”の尊さを教えてくれた…あなたが…」

『そうだ。中学生だった君に説いたね。人を傷つけてしまっても、”個性”とは多様だ。使い道はいくらでもあると。』

「そんな励ましてくれたあなただから”約束”したんだ…人に個性は使わないって！」

『あぁ。それは今までもこれからも変わらないだろう…』

「・・・敵だったなんて…貴方がヴィランだったなんて‼」

「彰人…」

「貴方がヴィランだったのならあんな約束…あんな言葉…すべてが無駄になる！」

『何故』

「貴方がヴィランだからだ！」

『敵には人を説く権利もないと？』

「そうだ。何故なら、貴方はそうやって言葉巧みに誑かし、仲間を増やしているからだ。」

椅子から降りて、両の手を仰いだ。
ここに居る人も。USJの襲撃をしてきた人も、どうせ、言葉巧みに誑かし、利用し、捨ててきた。

『そう言い切れる根拠は。』

「貴方のその余裕さ。僕は雄英生だよ。ヒーローを志したものだ。貴方との約束だって今をもって消えた。今なら数人。殺してでもここを出て行く。」

「おいおい。本当に話が違う。」

後ろで腕の人がだるそうに声を上げた。

「何が雄英の劣等生でヒーローを憎んでるって？」

「そこまでは言ってないよ。強力な”個性”でヴィランになりそうな人だと思って。」

「これのどこが。」

「なんか改心したのかな。」

小中同じだった幼馴染が、かつて僕らを襲った男と仲良さげに話をしている光景は異様だった。

「だから俺の”個性”も使えなかったのか。なるほどね～。」

カウンター椅子から降りる足立が、ゆっくりと微笑みながら寄ってきた。
警戒して構える。