おすきなままに (ページ13)

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階段を降りていくと、すぐ目の前に自動販売機があるスペースがある。

慧「あ…、」

俺の前を歩いていた伊野ちゃんが、小さい声を漏らし足を止める。

大貴「え、どうし…」

自販機の横のベンチに座っている、見覚えのある2人。

慧「シゲ先生、と増田先生…？」

びっ…くりした。

俺たちの目に飛び込んできたのは、まっすーとシゲ先生が甘い口づけをしている瞬間だった。

大貴「先生達って、付き合ってた、ってこと？」

慧「俺たちの周りボーイズラブ多すぎでしょ…」

伊野ちゃんは振り向いて苦笑いした。

見てはいけないとわかっていても、見てしまうのが男子高校生。

2人は何度も角度を変えてキスをしていた。

しばらくして、まっすーがこちらに向かって歩き始めた。

大貴「や、やばいやばいやばい…！」

増田「何がー？」

逃げようと後ろへ体を向けた瞬間、まっすーはもう後ろに来てしまった。

慧「ぃいいや俺たち何も見てないです聞いてないですごめんなさい！！」

増田「ふふ、俺は最初から気付いてたよ？声も聞こえてたし。俺は気にしないからね。んー、でも、あの人はねぇ。」

まっすーは困ったように笑って、シゲ先生の方を指差した。

階段の壁から顔を覗かせると、シゲ先生は顔を手で覆って固まっていた。

増田「ふふ、みんなには内緒ね。」

まっすーはそう言って微笑み、シゲ先生を引っ張って自室に戻って行った。