ある日の朝の音羽館4 ショパン ページ5
「子猫ちゃん！大丈夫?」
リストが大家さんを抱き起こす。いつもならモツが『歌苗〜！大丈夫?』とか、
シューが『大家殿、ご無事で？』とかって声をかける頃だけど、今日はそうもいかない。
モツはよほど痛いのか、また床にあぐらで座って打ちつけたところをさすってる。シューは罪悪感を感じてるのか、大家さんから目をそらした。
「あら、おでこから血出てるわよ！チョッちゃん、塗り薬と絆創膏持ってきて！」
「…わかった」
ダイニングルームの戸棚から救急箱を取り出して、絆創膏と塗り薬…と、湿布を3枚とハサミを手に持って廊下に戻った。
リストに絆創膏と塗り薬を手渡して、ボクはモツの後ろに座る。
「背中、見せて」
「えっ？」
当然かもしれないけど、驚かれる。ボクはあまり人付き合いが得意じゃないから、こういう時に無愛想になっちゃう。でも人とこんなふうにしゃべれるだけでもボクにとっては大きな進歩なんだけど。
「傷がひどくなる前に手当するから。」
納得したのか、マントのように羽織っているカーディガンを床におろした。
シャツをめくってみると、青黒いアザがいくつかできている。
「ありがと、チョッちゃん」
アザの大きさに合わせて湿布を切って貼っていると、モツがボソリと言った。
「いいよ、これぐらい普通のことだし」
ボクも無愛想にだけど返した。
隣では手当をしてあげてるリストに大家さんがお礼を言っていた
「いいのよ。これも愛だわ」
「ホントにありがとうございます…でもなんでこんなところでコケたのかな…」
「これのせいよ」
素知らぬ顔で立っているシューの肩がビクッと上がったのが見える。そっとモツをうかがうと、不満そうにシューを睨んでた。
「これって…糸？ってことはイタズラ!？ちょっと、モツ、約束忘れたわけじゃ…」
「僕じゃないよっ！」
モツが、大家さんの言葉を遮って否定する。いつもの様子からだと、大家さんへの返事とは思えないような勢いだった。もしかしたら、相当怒ってるのかもしれない。さっきから下品な言葉も一切出てないし、声が低くなってる。
モツの勢いにたじろいだのか、大家さんは一度口ごもった。けどまたいつもみたいに戻って
「じゃあ誰がやったのよ、こんなこと」
と聞いた。
「…シューがやった」
僕がボソリと言うと、大家さんが驚いたように2、3度まばたきした。
「…えっ？あの真面目なシューさんが⁉」
シューの肩がまたビクッと上がった。
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月夏(プロフ) - さらささん» コメントありがとうございます…！！忙しくて、ゆっくりになるかもしれませんが、待ってて頂けると嬉しいです…！！ (2019年12月8日 21時) (
レス) id: bfe685bbc8 (このIDを非表示/違反報告)
さらさ - 続き気になります！いつで持つので頑張ってください！ (2019年11月4日 14時) (レス) id: d3145eb9ce (このIDを非表示/違反報告)
さらさ - 続き気になります！ (2019年11月4日 14時) (レス) id: d3145eb9ce (このIDを非表示/違反報告)
月夏(プロフ) - 彩結さん» あ、早速ありがとうございます！彩結さんも頑張ってくださいね! (2018年5月5日 16時) (レス) id: 98ec3659ca (このIDを非表示/違反報告)
彩結 - 月夏さん» こんにちは☆怪盗リリー作者、彩結です！月夏さん沢山更新できてますね！！尊敬です。これからも頑張ってください (2018年5月5日 15時) (レス) id: 8985e8fb3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月夏 | 作成日時：2018年4月9日 22時
