入れ替わって2 モツ ページ18
「う〜ん、……ここ、どこ？」
僕が目を覚ましたところは、不思議な部屋だった。
赤い絨毯に、古風な壁紙。ビロードの椅子が一脚と、小さいテーブルと、今寝ているベッド、壁にかかっている燭台以外のものは何もなく、全体的にクラシカルな部屋だった。
窓もないし、扉もない。
ならどうやって僕は入ってきたのかな？
でも、僕が覚えているのは、シュピールの声を聞いたところまでだ。
じゃあ、シュピールが連れてきてくれた？
でも、この部屋にシュピールがいる気配も無いし、この狭い部屋に隠れるところなんてない。
じゃあどうしてここにいるんだろう？
全くわからない。それに……
「ここ…、昔の宮殿に似てる…」
ホントにそっくり。
壁紙も、椅子の形も、ベッドの柔らかさも。
全部。
「でも、」
ホントの宮殿には、もっとなきゃいけないものがたくさんあるし、そもそもなんで宮殿にいるんだろう？
よっ､と弾みをつけて起き上がる。
今、僕はどんな格好なのか、知りたい。
シュピールは、入れ替わるとかって言ってたけど、どんな風になっているのかわからない。
ご丁寧に、ベッドに天蓋までついてる。
ホントに、宮殿の客室みたいだ。
やっぱり、鏡はない。
「普通なら、壁に鏡ぐらいあるものなんだけどなぁ。」
でも、その時、振り返ったら、さっきまでなかったはずなのに、向かい側の壁に鏡がかかってた。
全身が映るような、楕円形で、周りが金色の金属と宝石で縁取られた、ゴージャスなやつ。
僕が想像した通りだ。
昔の宮殿にあるやつみたいな。
そこに映った僕の姿はいつも通りで。
驚いたように目を丸くしている。
違うのは、手首と足首に紅いリボンが巻かれていること。
でも、なんでだろ？さっきまでなかった鏡がいきなり出てくるなんて、偶然じゃなさそう。それに、ここ、一体どこ？
わからないことだらけだ。
『最初の頃は自由で面白かった』
不意にシュピールの言葉が蘇る。
こんな狭い部屋のどこが自由だって言うんだろう？
「でも……」
これってもしかして、なんでも僕の思い通りに行くってやつかもしれない。
そんな話、何かで読んだことある。
だったとしたら、すごくない？
ん〜、じゃあ、試しに、あのとき歌苗に渡したような、赤い薔薇の花束なんて出してみようかな？
それとも、ケーキ？今度は普通の形の、とびっきり豪華なやつにしてみよう。それなら、歌苗怒らないよね?
思いもしなかったんだ。
これから、大変な事になるなんて
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月夏(プロフ) - さらささん» コメントありがとうございます…！！忙しくて、ゆっくりになるかもしれませんが、待ってて頂けると嬉しいです…！！ (2019年12月8日 21時) (
レス) id: bfe685bbc8 (このIDを非表示/違反報告)
さらさ - 続き気になります！いつで持つので頑張ってください！ (2019年11月4日 14時) (レス) id: d3145eb9ce (このIDを非表示/違反報告)
さらさ - 続き気になります！ (2019年11月4日 14時) (レス) id: d3145eb9ce (このIDを非表示/違反報告)
月夏(プロフ) - 彩結さん» あ、早速ありがとうございます！彩結さんも頑張ってくださいね! (2018年5月5日 16時) (レス) id: 98ec3659ca (このIDを非表示/違反報告)
彩結 - 月夏さん» こんにちは☆怪盗リリー作者、彩結です！月夏さん沢山更新できてますね！！尊敬です。これからも頑張ってください (2018年5月5日 15時) (レス) id: 8985e8fb3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月夏 | 作成日時：2018年4月9日 22時
