4 ページ5
「そっか、辛かったな」
多分酷い顔をしていた俺に優しく寄り添うような声をかけてくれたのは濱ちゃんだった。俺はその言葉を皮切りに涙がボロボロと溢れてきてしまった。今日会ったばかりの人なのに。全員が全員人の懐に入るのが上手いのがいけない。そう心な中で八つ当たりしている間もみんなは背中をさすったりして慰めてくれた。
「ただいまーーー！欲しいもんあったわー」
すると、突然そんな雰囲気をぶち壊した人が玄関から現れた。
「うわ、タイミング悪いなー」
「え、なに？なんで急に悪口言われとるん？」
しげにそう言われたのんちゃん？は俺の存在に気づくなり口を大きく開けた。
「あーーー！依頼忘れとった！！！」
「やろうなと思ってたわ。殺したい理由は聞いたから後は任せたで」
「え、俺は聞いてないんやけどー…」
そう言って少し不貞腐れる彼は見た目は大人っぽいが他のみんなより子供に見えた。
「まあ、俺らが聞いて依頼に値すると思ったから大丈夫やで」
そんな彼の背中を優しく叩く照史さんの方が大人に見えた。
「それならええけど…。ごめんね。忘れてもうて」
そして少ししょんぼりしたながら忘れていたことを謝る彼に俺は慌てて否定した。
「だ、大丈夫ですよ！その間神ちゃんが居てくれたんで」
「え、俺？」
突然自分の名前が出たことに驚いた神ちゃんを華麗に無視して彼は話し出した。
「あ、俺の事はのんちゃんでええからな。依頼についてはだいたい電話越しで聞いて分かっとるから、今聞きたいことは一つだけ」
真剣な顔をして話すのんちゃんはさっきの子供っぽさは一切無くなっていた。
「どんな風にそいつを殺したい？」
その言葉に俺は息をのんだ。殺す方法。そんなの考えたこと無かったから。でも答えないと。そう思いながらもどう答えたらいいのか分からず目の前が真っ白になる。
「…無かったら無いでええんやで。したらこっちでやりやすい殺し方をするだけやから」
呆然としていた俺を見かねてか淳太さんがそう声をかけてくれた。俺はその言葉に気が抜けて息を吐く。その時、何も思いつかなかった俺の頭に1つの方法が思いついた。
「あ…アイツが裏切られて死んで欲しいです」
頭の中の言葉がそのまま口に出た。俺はそんな自分に驚いて咄嗟に自分の口を手で覆った。
「あ、いや…今のは…」
「それめっちゃええやん！」
やばいと思い、否定しようとする俺とは裏腹に目をキラキラさせて賛成するのんちゃんが居た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 360人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
年長さん(プロフ) - ブラックな少女さん» コメントありがとうございます。少し怖くしすぎましたかね？もうちょっと抑え気味でいけるよう努力致します！ (2022年10月23日 2時) (
レス) id: fc92530c03 (このIDを非表示/違反報告)
ブラックな少女 - 42の流星、怖い、サイコパス…。 面白かったです (2022年10月21日 19時) (レス) @page44 id: 3cbd83fd77 (このIDを非表示/違反報告)
みかちゃん(プロフ) - とっても面白くて何度も読んでしまいました！素敵なリクエストのお話ありがとうございました。 (2022年10月21日 7時) (レス) @page44 id: 12323e65ad (このIDを非表示/違反報告)
年長さん(プロフ) - みかちゃんさん» 間が空いてしまってすみません💦これにて終わりですがあまり期待に添えませんでしたら申し訳ございません。 (2022年10月21日 1時) (レス) id: fc92530c03 (このIDを非表示/違反報告)
みかちゃん(プロフ) - リクエストがとても面白くて続きがワクワクしてます！ゆっくりで作者さんのペースで楽しみにしてます！ (2022年10月20日 22時) (レス) id: 12323e65ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：年長さん | 作成日時：2022年8月30日 0時
